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Episode No.208(990427):東京が日本一の座を奪われる時

2010年、首都東京は日本一の座を奪われる見通し・・・。

いったい何の話かと言えば、人口のことである。

地方に出張などに出ると、タクシーの運ちゃんはじめ、地元の人にその地方のことを尋ねることがよくある。
何気なく聞いているだけなのだが、みんなよく知っているのに驚かさせることが多い。
とくに、その地方の人口について、まるで毎朝、人口流動のグラフでも確認してきたかのごとく説明してくれる人は少なくない。

はたして自分の住んでいるところについて、人に説明できるほど知っているかと言えば、自信がない。
「今、こちらの人口はどれくらいですか?」と尋ねられても「さぁて、多いとは思いますが、正確な数字までは・・・」というのが関の山だ。

そこで、日本の人口について、ちょっと調べてみた。

1996年3月31日現在の日本の総人口は、約1億2,491万人。
都道府県別に見ると、トップはやはり東京で、約1,154万人。2位は大阪で約868万人。3位は神奈川の約817万人となっている。
都道府県別に見て、1,000万人以上の人口があるのは東京だけである。

東京、大阪、名古屋を中心とした50km圏内の人口は、約5,400万人にのぼる。
全国土のわずか6%の地域に、総人口の43%以上の人間が住んでいるのだから、車の渋滞が緩和しないはずだ。

よく出生率の低下から、日本の総人口が減少するという話が出るが、現在の予測でいくと8年後の2007年から、人口は減り始め、2051年には1億人を割り込む計算になるという。

最も第1回国勢調査が実施された1920年(大正9)の日本の総人口は、約5,596万人だった。
この約80年ほどの間に倍以上に膨れ上がったことの方が、かえって不自然なような気がしないでもない。

東京の人口は、すでに飽和状態。
すでに減少傾向にあると見る向きもある。
予測では、2010年には、第3位の神奈川県が1,000万人の大台に乗り、東京を追い抜く計算だという。

少なければ少ないで困るし、多ければ多いで困る・・・。
一国の事情も一企業の事情も、さして変わりはないようだが、高齢者が増えて、納税者が減るのは、やっぱり困るだろう・・・な。


参考資料:「日本地理の雑学事典」浅井建爾=著 日本実業出版社=刊

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