大人になったら何になる?
幼い頃には、何回聞かれたことだろう。
現代の子供たちの中には「ゲームデザイナー」なんて答えるマセガキもいるかもしれないが、今、ゲームデザイナーをしている人が子供の時代には、そんな職業はなかったんじゃないだろうか?
今から69年前、1930年5月のこと。
アメリカはカリフォルニア州にあるオークランド空港で、ユナイテッド航空の旅客機が飛び立とうとしていた。
この旅客機には、それまでにはいなかったメンバーが乗員していた。
スチュワーデスである。
この便において世界で初めて、スチュワーデスが乗客を迎えたのだ。
今でこそ、それほどもてはやされなくなったスチュワーデスだが、周知の通り、一時期は女性にとってまさに憧れの職業。
しかし、このスチュワーデスという職業の成り立ちは少々変わっている。
世界で初めてスチュワーデスになった女性の名は、エレン・チャーチ嬢。
彼女の本業は看護婦であった。
彼女は看護婦のキャリアを活かして、何か新しい仕事につきたいと考えていた。
そんな彼女が目をつけたのが、当時、急速に発展してきた航空機産業。
彼女が自らを売り込んだ手紙をユナイテッド航空に送ったのが、スチュワーデスという職業のはじまりとなった。
ユナイテッド航空では彼女の企画を採用して、彼女を中心に7名のスチュワーデスを採用することになる。
当時の採用条件は年齢25歳以下、体重52kg以下、身長163cm以下・・・そして看護婦の資格があること。
旅客機とはいえ、今のように暖房もなければ機密構造にもなっていない。
18時間のフライト予定が平気で24時間もかかることがあるような時代。
エレンをはじめとするスチュワーデスたちのお陰で、乗客のストレスも少しは和らいだことだろう。
だが、彼女たちの出現を大いにストレスと感じている人たちもいた。
ついには会社宛に「スチュワーデスを辞めさせろ」と抗議文まで出したその人たちとは・・・パイロットの奥さんたちである。