Presented by digitake.com

 

Episode No.228(990520):自分に合った職業をつくれ!

大人になったら何になる?

幼い頃には、何回聞かれたことだろう。
現代の子供たちの中には「ゲームデザイナー」なんて答えるマセガキもいるかもしれないが、今、ゲームデザイナーをしている人が子供の時代には、そんな職業はなかったんじゃないだろうか?

今から69年前、1930年5月のこと。
アメリカはカリフォルニア州にあるオークランド空港で、ユナイテッド航空の旅客機が飛び立とうとしていた。
この旅客機には、それまでにはいなかったメンバーが乗員していた。

スチュワーデスである。

この便において世界で初めて、スチュワーデスが乗客を迎えたのだ。

今でこそ、それほどもてはやされなくなったスチュワーデスだが、周知の通り、一時期は女性にとってまさに憧れの職業。
しかし、このスチュワーデスという職業の成り立ちは少々変わっている。

世界で初めてスチュワーデスになった女性の名は、エレン・チャーチ嬢。
彼女の本業は看護婦であった。

彼女は看護婦のキャリアを活かして、何か新しい仕事につきたいと考えていた。
そんな彼女が目をつけたのが、当時、急速に発展してきた航空機産業。

彼女が自らを売り込んだ手紙をユナイテッド航空に送ったのが、スチュワーデスという職業のはじまりとなった。

ユナイテッド航空では彼女の企画を採用して、彼女を中心に7名のスチュワーデスを採用することになる。
当時の採用条件は年齢25歳以下、体重52kg以下、身長163cm以下・・・そして看護婦の資格があること。

旅客機とはいえ、今のように暖房もなければ機密構造にもなっていない。
18時間のフライト予定が平気で24時間もかかることがあるような時代。
エレンをはじめとするスチュワーデスたちのお陰で、乗客のストレスも少しは和らいだことだろう。

だが、彼女たちの出現を大いにストレスと感じている人たちもいた。
ついには会社宛に「スチュワーデスを辞めさせろ」と抗議文まで出したその人たちとは・・・パイロットの奥さんたちである。


参考資料:「雑学・世界なんでもかんでも最初のこと」P・ロバートソン=著 大出 健=訳 講談社+α文庫=刊

[ Back to TopBacknumberご愛読者アンケートBBS 御意見番BBS 保存版 ]