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Episode No.762(20010203):どうせ「一瞬」されど「一瞬」

節分ですな。
毎年、豆まき・・・やってる?

大人ばかりだと、ついついこういう行事を馬鹿にしてしまうんだけれど・・・
うちでは小さな子供がいるコトもあって・・・毎年やってる。

節分とは立春の前夜をいい、年によっては2月の4日を指すこともある。
節分は文字通り"季節"を"分ける"ものであり、陰陽道が元になった考え方だ。

・・・という話は一昨年の今日もしたけど、私自身すっかり忘れてた。

何せ書いたそばから・・・忘れちゃう。
でも一度書いたモノなら思い出すのも早いけどね。

さて、今年もまた「鬼はそと!」と叫ぶワケだが・・・

去年の「鬼」と今年の「鬼」。
自分の潜在意識の中にある「鬼」は・・・はたして同じだろうか?

病気や災害は・・・つねに「鬼」だが
時には、それが目の上のタンコブとなる"あの人"だったり・・・
どうにも自分の頑張りだけでは打開できない組織のシステムだったりする。

実は「鬼」がいてくれた方が・・・やる気は出やすかったりするんだけれど
毎年同じ「鬼」に向かっていると思うと少々気が滅入るコトもある。

まるで、この1年間・・・同じトンネルから抜け出せなかったような気がしてね。

けれど、イギリスの詩人・ブラウニングは言った。

「成功の一瞬は、失敗の数カ年をつぐなう」

考えてみれば・・・人間って「一瞬」をつかむために生きてるよね。
どんなに手の込んだ料理を作っても・・・
本当に「美味い!」と思うのは最初のひと口・・・その「一瞬」だし。

価値ある「一瞬」と次の「一瞬」の間を・・・
何とか食いつないでいくのが人生かも知れないね。

最初から「一瞬」しかないと思えば・・・
自分が不幸だなんて・・・余計なコトを考えずに済むはずだ。

「苦難はたいてい未来の幸福を意味し、
 それを準備してくれるものだから・・・
 私はそうした経験を通して、苦難の時はむしろ希望を抱くようになり、
 逆にあまり大きな幸福に対しては疑念を抱くようになった」

と、言うのはスイスの法学者で哲学者でもあるヒルティの言葉。

そんな小難しいコトを考えていると・・・
いつまでたっても幸福は得られないかも知れないけれど・・・わかる気はする。

まぁ、とにかく今年も家族そろって豆まきができるってコトは・・・
幸福に違いないわ、な。

嬉しい「一瞬」を共有できる人が、多ければ多いほど・・・
それが本当の幸せなんだ。


参考資料:「心に感動を呼ぶこの名文句」大島正裕=編 三笠書房=刊 ほか