Episode No.624(20000826):人もやっぱり「天然」モノ
アンディ・フグの突然の死は、なぜかショックだった。
なぜか・・・というのは・・・
私は、とくにK-1を追って見てるというワケでもなかったから。
たまたまやってれば見る・・・その程度。
そんな私にもアンディ・フグの勇姿は印象的だった。
8月24日の夜は、珍しくテレビのスポーツニュースにチャンネルを合わせた。
残念ながらアンディの死について詳細を伝えるニュースは短かったが・・・
変わりに長嶋監督の顔はよく出てきた。
セ・リーグとパ・リーグの区別もつかないほどプロ野球オンチの私でも、長嶋茂雄は知ってる。
息子は今ごろ、K-1の事務局に詰めてるんじゃないか・・・と思ったり
スポーツキャスターをしている娘の顔を思い出してみたりしたけれど・・・
ホームランを打った松井を迎える長嶋監督の笑顔を見ていると・・・
長嶋親子の中で一番「無邪気」なのは父親なんじゃないかと思ってしまった。
長嶋茂雄は「天才」というより、生まれもったモノ・・・「天然」という感じ。
ひょっとしたら世の中には、いわゆる「天才」なんていなくて・・・
いるのは「天然」だけじゃないだろうか?
たまたま、その「天然」さが・・・
自分や世間が求めているモノにマッチした希な人が「天才」とも呼ばれるけれど・・・
ちょっと方向性が違っていたら・・・ただの「変わった人」だよね。
田中角栄にしても・・・
他人への気遣いや自分の意志を通そうとする力には「天然」のモノを感じる。
努力すれば誰だってできるコト・・・は同時に、普通なら努力しなければできないコト。
それを「天然」の人は自然にやってのける。
もちろん、それだけでは「きっかけ」に過ぎなくて、カタチにするためには努力が必要だけど。
基本的には背が高いとか低いってコトと変わらないんじゃないかな?
努力をするにも時間がかかるからね。
背が低ければ、高いところのモノを取るために台を準備する時間が必要だ。
何でもかんでも努力するには生きてる時間は限られ過ぎている。
田中角栄は、やっぱり「天然」だから・・・
いくら小沢一郎が真似しようと思っても、なかなかそうはいかない。
でも、田中真紀子は真似しようと思わなくても・・・そうなっちゃう。
最も、単なるクセを「天然」のせいにしてしまうのも、どうかとは思う。
酒や煙草なんて・・・生まれた時からやってるワケはないし。
ただ自分の「天然」さと、こう「見せたい」というコトがあまりかけ離れていると・・・
成功はおぼつかないし、無理がたたって自己崩壊してしまう危険性もある。
太宰治のように、ね。
どんなに無理をしても、できないコトはできない。
しかし、裏を返せば・・・できそうなコトっていうのは・・・やれば絶対できるコト。
・・・生きていれば、ね。