先日は若きテニスの女王、マルティナ・ヒンギスとコーチである母親の話を紹介したが、日本にもこんな親子がいないわけではない。
言わずと知れたオリックスのイチロー選手だ。
野球の話は苦手なので、あまり詳しくないが、ちょっと前にイチロー選手が『徹子の部屋』で話していたことを紹介しよう。
イチロー選手と言えば、幼少の頃から父に野球の楽しさを教えられて育ったことは有名。
練習の後、毎日、父親がイチローの足をマッサージしてくれたという話は、天才を育てた美談として語られているが、それだけではなく、イチローはもともと名選手になるために必要な訓練を自ら行っていたという。
もちろん、それが結果的に訓練になっていたというのは今となって言えることで、当時は単なる"お遊び"に過ぎなかった。
その遊びとは、通り過ぎる自動車のナンバーを瞬時に覚えること。
ナンバーを読みとることができるようになると、今度は、その数字の足し算まで行ったという。
イチロー少年のとって、その"遊び"は"クセ"にまでなって、何気なく街を歩いている時にも、目は自然に自動車のナンバープレートを追うようにまでなった。
この結果、イチロー選手の動体視力は、自分が止まっている時には人並みだというが、自分も動きながら、さらに動いているものを識別する能力については、他の選手と比べ、ズバ抜けて良くなったという。
「じゃあ、遊んでさえいればリッパに成功できる」・・・と甘く考える人は、まずいないと思うが、大切なのは、たとえ"遊び"であっても"真剣"に取り組むことだろうと思う。
"遊び"にもいろいろあるが、ただ"時間つぶし"をしているような"遊び"を繰り返していたところで、何のコヤシにもならない。
"遊び"だって"真剣"に取り組めば、苦しみをともなってくることもあるかもしれないが、自分で望んだ"苦しみ"なら乗り越えることもできる。
そして、どんな"苦しみ"でも乗り越えさえすれば、大きな力になる。
真剣に遊んで成功した人はいても、苦しみから逃げてまわって成功した人はいないだろう。