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Episode No.623(20000825):因果応報

今年も夏休みを海外を過ごした・・・って人は多いんだろうね。

私もかつては機会があって・・・
アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、イギリス、エジプト韓国香港・・・には行ったコトがある。
ここ数年・・・そういう機会はまったくなくて、パスポートも切れっぱなし。

さて、今でこそ日本では少ない滑走路を使って分単位で飛行機が飛び交うようになったけれど・・・
民間飛行機が初めて海外に向けて飛んだのは、今からちょうど69年前の昭和6=1931年8月25日のコト。

確か、現在のように民間人が気軽に海外旅行をできるようになったのは・・・
東京オリンピックの昭和39年頃だったと思う。
それより30年以上も前から、海外行きの民間機は飛んでいたコトになる。
ただ、民間人が海外に出るためには、費用はもとより、手続きがいろいろと大変だったようだ。

69年前の8月25日は大雨。
吹きつける雨の羽田空港を飛び立ったのは・・・古めかしい、とはいえ当時は最新型の単葉機。
行き先は中国の大連だった。

その時の乗客は・・・人間ではなく、なんと虫が6,000匹。
当時、大連には大勢の日本人がいた。
その日本人たちに秋の風情を楽しんでもらおうと、スズ虫とマツ虫を運んだ・・・というワケ。

風情は確かにいいんだけれど・・・
動植物を大量輸送するというのは、後々、生態系に大きな影響を与えかねない。
それも、ひとつの自然淘汰・・・といえないコトもないけれど。

つい先日、テレビで
鎌倉でアライグマが異常発生しているという話題を目にした。

アライグマというとアニメの『ラスカル』のイメージが強い、見た目は可愛らしい動物だが・・・
専門家に言わせると「もともとペットにできるような、おとなしい動物ではない」らしい。
基本的に人間を怖がらないから・・・頭など撫でようモノなら・・・ガブリとやられちゃう。

ペットとして飼われていたアライグマが・・・やがて飼い主の手にあまって捨てられ繁殖。
山も小川もある鎌倉は、アライグマにとっては過ごしやすい土地柄のようだ。

犬や猫のエサをあさる・・・くらいなら、まだいいんだけれど・・・
屋根裏に住み込んで、天井が糞尿だらけにされる被害も拡大しているという。

専門家が一番恐れているのは・・・アライグマを媒介とした狂犬病の発生だ。

徹底した野犬刈りと予防接種のおかげで・・・昭和30年代には日本の狂犬病は絶滅している。
発病すれば100%死に至るという狂犬病は、もちろん人間にもうつる。
それだけ怖い伝染病だから、徹底した絶滅運動が必要だったのだが・・・
アライグマが、かつての野犬と同じ役割を担ってしまう危険性が高いというのだ。

夏休みが終わって・・・
早速、秋の行楽シーズンを目標に、しばらく頑張ろう・・・という人も多いと思うけど。
鎌倉に行ったら・・・アライグマには、ご注意を!

可愛いモノには・・・ホントに気をつけないと、ねぇ?!

大連に行ったスズ虫の子孫たちは・・・今年も鳴いているのだろうか?


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか