Episode No.609(20000809):ノウハウは、やってみないと育たない 若さは素晴らしい・・・と、誰しも口をそろえて言うが・・・。 若さのいったい何が素晴らしいのかを考えてみると・・・凡人にとって、その答えは、たったひとつしかないようにも思う。 知識も経験もないコトは「怖いモノ知らず」の勇気につながるけれど・・・ 実際に何かをはじめようとした時には、説得力に欠けて、現実を動かすほどの力に欠けるコトがほとんど。 唯一、素晴らしいモノがあるとすれば・・・それは、体力があるコトだろう。 アメリカはテキサス州ダラスに住んでいたジョー・トンプソンは、当時26歳。 時代は1920年代後半・・・禁酒法の頃だ。 小さな店で、氷の製造販売業をしていた彼は、店の売り上げが伸びないのに悩んでいた。 確かに、売り物が氷だけでは・・・夏場はいいが、冬場はガクンと売り上げが減ってしまう。 彼の住んでる町に、何故かグリーンおじさんと呼ばれている人がいた。 とても親しみのあるおじさんだったようで・・・ 町中の人からいろんな相談を受けては、長年つちかった知識と経験で、それに答える気さくな老人。 ある日、トンプソンは商売の悩みを、このグリーンおじさんにうち明けた。 「そりゃ、簡単なこったべな。せっかく店があんだ。氷以外に売れそうなモノを売りゃあいい」 そこで、トンプソンは店に置けるだけの商品をかき集めて売ってみるコトにした。 「おい、トンプソン! やってるな」 「ああ、グリーンおじさん。いろいろ集めてみたよ」 「しかし、こうして見ると・・・せめぇ店だな」 「そいつばかりは仕方ない。でも、たくさん置けない分、少量他品種にしてみたよ」 「そりゃあ、いいアイデアだ! よし、どうせ便利な店を目指すなら、もうひと工夫してみな」 「もう、ひと工夫?」 「そうさ、どうしたら、この店がもっと便利に感じられるかってコトよ」 そして、考えたあげく・・・若く体力のあるトンプソンが出した結論は・・・ ほかの店が閉まっている時間にも開いている・・・というコト。 彼の店を訪れる客たちは口々に言った・・・「開いてて、よかった」 トンプソンの店は当初「トーテムストア」という名前だったが・・・ やがて「セブン−イレブン」と名称を変更した。 まず、自分にできるコトを確実にやってみる・・・! 明るい未来を切り開くというのは・・・それほど、たいそうなコトではないのかも知れない。 どの道、未来はやって来る。 それが明るいかどうかは・・・ちょっとした頑張りの差でしかないのかも、ね。
参考資料:「その場がど〜んともりあがる雑学の本」雑学倶楽部=編 講談社+α文庫=刊
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