私は競馬というものを一度もやったことがない。
しかし、井崎脩五郎という競馬評論家がいることくらいは知っている。
よくテレビで見る、あのサンダーバードの運転手、パーカーのような・・・。
その井崎脩五郎の言葉にこんなのがある。
「競走馬というのは、あんまり頭が良すぎるとダメだ。少し良いくらいがいい。頭の良い馬は、戦況を自分で判断し、レースを途中で投げ出してしまう」
人間もまるで同じ・・・だ。
頭の善し悪しは、なかなか比較できるものではない。
但し、経験の長さ・・・つまり、年齢ならどちらが上かはすぐわかる。
「忘却の早さと、何ごとも重大視しない情感の浅さこそ、人間最初の老いの兆し」
と言ったのは高まる情熱を抑えきれずに、45歳でこの世を自主的に去った三島由紀夫。
猪突猛進・・・というのも、ちょっと厄介な話だが、若い時には考え過ぎず、それくらいの行動力があって、ちょうどいいのかもしれない。
どうせ一生懸命考えたところで、つたない知識と経験の中から、本当の答えが見つかるはずもない。
それに学生時代ならいざ知らず、社会に出て仕事をはじめると、猪突猛進しようと思っても、なかなかできるものではない。
周囲が決して、それを許さない。
いい意味でのブレーキとして許さない場合もあれば、悪意をもって制止されることもある。
頭が悪すぎて、決められたコースを走れないのでは論外。
決められたコース・・・という言葉は私も嫌いだけれど、本来のコースを知らなければ、ショートカットもできない・・・じゃないか?!