Episode No.608(20000808):ヒゲの男たち+ 8月8日は「ヒゲの日」・・・だって。 漢字の「八」が何となくヒゲっぽいから、そうなったらしいんだけど・・・ いったい「ヒゲの日」なんて制定して誰がトクをするんだろうと思ったら・・・ 1978年にこの日を提唱したのは、日本ワーナーランバード社シック事業部。 毎年、この日には剃刀供養とか、ヒゲ・コンテストとかを実施しているらしい。 私が生やしているのは、完全な無精ヒゲ。 毎日、剃るのが面倒なので・・・お客さんとミーティングがある、だいたい週一度くらいしか剃ってない。 でも、あんまり伸ばし過ぎると人相が悪くなって・・・ポン引きに見られたりする。 ヒゲの有名人といえば・・・ 女の子から「ヒゲが似合いそう」という手紙をもらって、ヒゲを生やしたリンカーンの話は有名。 ほかに思い浮かぶヒゲは・・・やっぱりチャップリンかな。 しかし、このチャップリンのチョビヒゲは、実は付けヒゲ。 顔の表情を豊かに見せるために動く部分がほしかったようだ。 白黒の画面だと自然に見えるあのメイクも・・・ アップの写真などで見ると、眉も不自然なまでに太く描かれていて、まるっきりピエロと同じだ。 『モダンタイムス』の中に、自動食機という流れ作業をしながら食事ができる装置が出てくるんだけど・・・ その装置が狂って、高速回転したトウモロコシが鼻の下で止まるシーンがある。 あのチョビヒゲが付けヒゲだというコトを知っていると・・・よく取れないモンだと関心したモノだ。 無論、何度かはヒゲが取れてNGになったコトも想像に難くない。 役者さんというのは役に入り込むと、もうほかのコトなど、どうでもいい・・・という状態に陥るようだ。 それがプロ根性・・・とでも言うのか。 以前『インディージョーンズ』のメイキングの中で、馬にまたがって滑走するハリソン・フォードが・・・ 何度走っても、かぶっている帽子が風にあおられて落ちてしまって・・・NGを連発。 しまいに頭にきて、ホチキスを壁に打ち付けるタッカーで帽子を額に固定してたところを見た。 心頭滅却すれば・・・って感じで、そのカットを撮り終えるまでは、痛くないんだろうな。 と、するとチャップリンも絶対にはがれない接着剤でヒゲを付けていたのか・・・? 最も本物を生やした方が速いような気もするけれど・・・ チャップリンの無精ヒゲ面の写真は見たコトがないから、本当は、あんまりヒゲは濃くなかったのかもね。 チャップリンと同じく、チョビヒゲで知られたのが、ヒトラー。 チャップリンの『独裁者』では、完全にヒトラーをパロってるけど・・・ ナチスがまだ正義だった時代に、ああいう映画を作るっていうのは、かなり勇気のいるコトだ。 ちなみにチャップリンとヒトラーは1889年生まれ・・・つまり同じ歳。 確かチャップリンが4月生まれで、ヒトラーが12月生まれだったと思う。 同じ時代に、同じようなチョビヒゲで世界中に知られた2人の運命が、ここまで違うのは・・・ 何か因縁めいてるよ、ね。 と、ここまでで今日の分は終えようと思ったら・・・ 8月5日に名優、アレック・ギネスが亡くなったというニュースを目にした。 なんでアレック・ギネスが今日の話に関係するのかと言えば・・・ 『戦場にかける橋』や『スターウォーズ』のオビワン・ケノビ役など、幅広い役柄をこなしたギネスは・・・ 『アドルフ・ヒトラー最期の7日間』という映画でヒトラー役をみごとに演じていた。 享年86歳・・・オビワン演ったのは60代かあ・・・合掌。
参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊 ほか
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