Episode No.439(000122):寄りかかっていれば、やがて倒れる
一生懸命やっているつもりなのに・・・うまくいかない。
そういうコトはよくある。
挙げ句の果てに一生懸命やっていたつもりの組織に切り捨てられて、ものすごく裏切られた心境に陥ってしまうコトも・・・。
バブル崩壊以来、すっかり一般語となったリストラは、まさにそうだよね。
しかし、会社も生きていかなければならないワケで、いちがいに会社側を批判するのも、どうかなぁ・・・と正直思うコトも多い。
自分がそんな立場にないから言えるコトかも知れないけれど・・・。
リストラされて怒る人たちは、会社が自分といっしょに共倒れしてくれれば満足するのかな?
その前にきっと、自分たちはリストラされてしまうのに、経営側はあいかわらず贅沢な暮らしをしてるというコトに腹を立てるのか?
まぁ、いろんなケースがあるだろうけれど・・・。
完全に負けるとわかっている戦いに命を散らした特攻隊の戦士たちが見たら、どう思うかな?
ロッキード事件の被告人となって40日の間、東京拘置所に入った田中角栄が目白の私邸に戻ると、そこには田中派の代議士約130人が待っていた。
「俺のことは心配するな。それより総選挙だ。俺の悪口をいくら言ってもいいから、石にかじりついてでも当選しろ。金のことは心配するな」
この親分の一声に子分たちは大いにわいた。
結果、田中派は親方、角栄が自民党を離れてからも増殖を続けることになる。
当時、番頭役だった早坂茂三は、代議士連中が帰った後、親分に尋ねた。
「オヤジさんは被告人になった。この時とばかり、これから敵が大勢攻めてくるだろう。私は番頭役として、いったいどうすればいいのか?」
どう考えても絶体絶命、しかも大勢の子分を抱えて決して弱音を吐くことを許されない大親分は静かに笑った。
「空が落ちてくるわけはない。山より大きな猪だって出やしない。お互い、命をとられるわけじゃないさ」
死ぬより苦しいことなんて生きてるうちには、そうそうあることではない。
まして、今の日本で餓死する人間など、まずいない。
・・・いるのは贅沢がしづらくなった人間だけだ。
何に一生懸命になるのか・・・。
うまくいかない時には考え直してみるコトも必要じゃないかな?
先日、アップル・コンピュータの正式CEO(最高経営責任者)になったスティーブ・ジョブスは、こんなコトを言っている。
「私はアップルの経営をうまくやるために仕事をしているのではない。最高のコンピュータを作るために仕事をしているのだ」
正式CEOとなったジョブスの年間給与は暫定CEOだった時と同じく、年間1ドルのままだ。