Episode No.1462(20030501):
大耳子象
『ダンボ』は好きだなぁ。
ディズニー映画になっている、
あの耳の大きな子象の話、ね。
じっくり映画を観たことのない人でも
可愛らしいあの子象は知っているでしょ?
私が好きなのは・・・
何も可愛らしいからだけじゃない。
まだ、映画を観ていない人も
いるかも知れないので・・・
ストーリーについては細かく話さないけれど、
あれは・・・かなり残酷な話だよ。
残酷な話なんだけど、夢と希望のある話。
時間ができたら、ダンボの作者について
もっとよく調べてみたいと思うんだけれど、
よほど、人間として傷ついたり
大きな苦しみを乗り越えないと
ああいう物語は書けないんじゃないかと思う。
名作にはテクニックを越えたものがある。
チャップリンの『街の灯』の
あの何とも言えないラストシーンもそうだ。
人間が心底驚くのは
何もオバケや殺人鬼が現れた時だけではないし、
笑顔を見せるのは、嬉しい時とは限らない。
すべての作品が人間から生まれてくる以上、
その人間が克服できていないものを描いたところで
結局は・・・
薄っぺらな教科書やマニュアルと同じになってしまう。
ダンボが空を飛べるのは・・・
耳が大きいからだけじゃない。
風にのることができたから。
風にのる気持ちがなかったら
・・・大きな耳など、やっぱり邪魔なだけだ。