Episode No.1133(20020412):勘違いマニュアル
「マニュアルがないので、
どう進めていいのかわからない」
・・・と仕事の不満を言う人がいる。
マニュアルは確かに便利なものだ。
一般的には実に合理的にできてる。
合理的にできていてこそマニュアルだ。
・・・が、そもそも
マニュアルは何のためにできたのか?
その考え方の発祥はアメリカ。
人種もバラバラ、教育レベルもバラバラの人たちを集めて
何か仕事をさせなければならない。
その必要性から出来たのかマニュアルだ。
単一民族の島国、日本には・・・
もともと必要がないものだった。
ところが・・・
急激な社会情勢の変化によって
世代のギャップが生まれ、
かつ国際競争力もつけなきゃならないということから
導入されたのがマニュアルという考え方だ。
さらに・・・
コンピュータ機器をはじめとして
さまざまな新しい道具が次から次へと投入されてくる。
そうした道具を使いこなすために必要なのが、やっぱりマニュアル。
しかし、ここで大きな勘違いが起きた。
マニュアル万能主義とも言えるこの勘違いは
対人関係さえマニュアル化しようとしてる。
はっきり言って・・・それは無理な話。
一定の繰り返し作業や機械を相手にする場合など
想定される動きが見えければ・・・マニュアルは成り立たない。
つまり・・・
千差万別、万差億別の人間相手に成り立つマニュアルなどないのだ。
マニュアル化できる作業は
言うなれば単純作業と言ってもいい。
複雑だからこそ、マニュアルがほしい・・・
という人もあるかも知れないが
複雑だからこそ、人間らしい人間が必要なんだ。
マニュアルを読めば誰でもできる仕事なら
・・・あなたは必要ない、といつ言われてもおかしくない。
物の道理がわからなければ・・・冷たい機械以下。
人間がロボットを目指しても・・・
本物のロボットには絶対勝てない。