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昔、ロンドン郊外の小さな町での話。

父親の言いつけで、ひとりの少年が一通の手紙を町の警察署に届けに来た。手紙を受け取った警官は、何も言わずにいきなり少年を留置場に放り込んだ。

しばらくして戻ってきてた警官は少年に言った。
「両親の言うことをきかないと、こういう目にあうよ」

少年の名前は、アルフレッド・ヒッチコック。

生涯に53本の長編映画を世に送り出したサスペンスの巨匠は、この時の恐怖を終生忘れることができなかったという。


参考文献:「ヒッチコック」筈見有弘=著 講談社現代新書=刊

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