Episode No.3558(20100120)
長身、バツイチ、そして勤勉

彼の身長は182cmくらいあったというから、
江戸時代後期の日本人としてはかなりの長身。
松田優作の身長とちょうど同じくらいだね。

彼もまた、恵まれぬ子供時代を過ごした

元は地主の子だったが…
人のいい父が、
飢饉に苦しむ人たちに施しをし過ぎたうえ、
さらなる飢饉で自分の田畑を失って
…とうとうすべての財産と命まで失ってしまう。

14歳で父を、
16歳で母を失った彼は、
離ればなれに引き取られて行った
兄弟との再会を夢みて懸命に働いた。

その甲斐あって20歳の時には、みごと生家を再興。

その後、大名に請われて
借金だらけの大名家を数年で立て直し、
その手腕は大名の上の藩主にも買われ、
荒れ果てて手の着けようがなかった
領地の再興まで手がけた。

彼の人生は、まさに再興のために捧げられた。

唯一、再興できなかったのが先妻との仲。
あまりに仕事熱心過ぎて、
先妻はついて行けぬと出て行ってしまった。

最も次の女房は、
彼に付いて荒れ地に居を移したというから、
理解の問題…
あるいは信じる力の問題かもしれないが…。

彼が居を移してまで再興にあたった土地は、
後に彼の名がつけられた。

栃木県二宮町(現・真岡市)。

長身、バツイチ、そして勤勉だった男の名は
二宮金次郎である。

参考文献「世界の伝記・二宮金次郎」笠原一男=監修/集英社=刊


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