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Episode No.197(990414):天使への想い

日本は資源のない国だ・・・と、よく言われる。
しかし、この資源のない敗戦国が、急激に豊かな経済力を誇る国になったのも、まぎれもない事実。

かつて日本が貧しい時代には、多くの若者たちが豊かさへの憧れを胸に海外へ渡っていった。

今日の主人公、太一郎もそんな若者のひとり。
彼は、ある洋菓子の工場で働いていた。

当時は、まだ奴隷制度の名残が色濃く残っている時代。
彼も奴隷同然の扱いを受けていたが、まだ日本にはない洋菓子の技術を会得して、日本で洋菓子づくりをするのが夢だった彼は、どんなにつらい仕事にも負けずに懸命になって働いた。

やがては彼の使用者も彼の努力を認めてくれるようになったが、むしろそれからが彼にとってはつらい毎日が始まりとなった。

彼がここで働くようになるまでは、のんびりと言われた仕事だけをしていた工員たちが、真面目に働く彼が来たおかげでサボることができくなり、彼をイジメ出したのだ。

つらい仕打ちを受ける中、彼が心の頼りにしたのはキリスト教。
こうしてクリスチャンとなった彼は、洋菓子の技術を日本に持ち帰って商売をはじめることになる。

はじめて発売した洋菓子の箱には、彼の心を支えた天使のイラストを描いた。
彼の名は、森永太一郎。
エンゼル・マークをつけたキャラメルは、こうして誕生した。

日本人ほど勤勉な国民はいない・・・とも言われる。
少なくとも、かつて
ペリー提督マッカーサー元帥チャップリンカーネル・サンダースもディズニー社長のF・G・ウェルズも、そう言った。

実は、この勤勉さこそが日本の資源ではないだろうか?

勤勉であることは決してつらいことではない。
やりたいこと、やるべきことをやり通すことが勤勉であり、心の健康のためには一番良いとさえ言える。

少なくとも勤勉さなくして、自分の夢を実現させた人は・・・いない。


参考資料:「森永製菓」

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