いくらいい実をならせる可能性がある種でも
痩せた土に撒いたのでは育たない。
今自分がやっていることが、
いい種を探すことだとしたら、
同時にいい土も探さなければならない。
まず土がないと
種が無駄になってしまうから、
土地を探す、
あるいは開墾することからはじめるのが
順番というものだろう。
土地もないクセに
ポケットに入る種ばかり探しているのは、
思いつきをアイデアと言い換えて、
いかにも自分がたいした者だと
虚勢を張ってみせる若輩者と同じだよ。
たまたま拾った種がどんな種であるのか、
机の上で辞典を広げて興奮したところで
…何も収穫は得られない。
土地を探しに歩く。
開墾をする。
そうした汗がないと種は
いつまでたっても種のまま。
やがては腐ってしまうんだ。
そして最終的には…
種をまくことは取り入れほど困難ではない。
…というゲーテの格言につながってしまう。
せめて順番を間違えずに進んでいかないと
徒労に終わってしまうな。