Episode No.936(20010825):種もまかなきゃ腐るだけ

「本音を言って衝突できるというのは、健全なことだ。
 それは、われわれが進歩した証拠なのだ」・・・マハトマ・ガンジー

われわれの進歩とは・・・
人間関係における結びつきの進歩、なんだな。

本当に親しく、お互いに相手の立場や考え方を理解していないと
とてもじゃないけど本音は話せない。

あえて取り繕ったり、嘘をつく必要もないけれど・・・
親しみが持てないと、だいたい社交辞令みたいな話で終わっちゃうよね。

私は比較的、他人と親しくなるのが上手なように思われることが多い。
でも、本当は・・・
取り繕ったりするのが苦手なだけの、ただの面倒くさがり屋だ。

おまけに思ったことは口にしないと気が済まないタチなもんだから・・・
見方によっては、いきなり腹を割ってるみたいだけど・・・実は思いつきで喋ってるだけ。

今のところは、こうした短所も長所に見えることも多いようだから助かってるけど・・・
一歩踏み外すと総スカンは必至だな。

昔、NHK教育テレビで「若い広場」という番組があって・・・
矢沢永吉のインタビュー特集があった。

もう、20年以上前の話になると思うけど・・・
今でもよく覚えているのが、永ちゃんがあの口調で言ったこの言葉。

「プラス、マイナス、ゼロ。
 10まで行きたいと思ったら、背中合わせにマイナスの10」

ケンカするほど仲がいい・・・なんて言葉もあるくらい
親しければ親しいほど、意見が対立した時には激しい対立が起こることもある。

でも、そこまで突っ込んだ関わり合いを持てる相手なんて・・・そうザラにいるもんじゃない。

その証拠に幼稚園、小学校、中学、高校と・・・
仮にひとクラス30名だとしても、14年間に420名のクラスメートがいたって
その中で年賀状のやりとりをしている人さえ、ごくわずか。

人と人との付き合いは・・・
家が近所だったとか、クラスが同じだった程度のことでは長続きしないんだよな。
まして本音を言って差し支えない相手となるとね、偶然だけでは見つからない。

このネット上での出逢いをはじめ・・・
きっかけは、そこらじゅうに転がっている。

しかし、それはあくまで「きっかけ」であって、それが続くかどうかは本人次第。

やっぱり、チャンスは誰にもある。
うまくいった人っていうのは・・・チャンスを育てた人なんだろう、ね。
恋愛も同じだな、きっと。


参考資料:「20世紀を創り出した言葉」ペギー・アンダーソン=編 弓場 隆=訳 ディスカヴァー21=刊