Episode No.2583(20061201):
本当のプライド
今日から12月・・・
年末の慌ただしさも次第に増してきて、
何とか年内にここまでは、と
拍車がかかる。
そういう時に限って
普段はまともに読んでもいない本が
読みたくなったりする。
現実逃避が半分・・・
そして、残りの半分は
仕事で放出ばかりしているので、
・・・その充填だ。
今読んでいるのは
吉田茂の側近だった白洲次郎の本。
まだ読み始めたばかりで
感想を話すには少々早いのだが・・・
敗戦から独立を勝ち取った
サンフランシスコ講和条約の席上、
元外交官で英語も達者な吉田首相は、
演説の草稿を英文で作成したにもかかわらず、
それを訳しながら
強いて日本語で演説をしたエピソードなど
歴史的にも、日本を知るうえでも
興味深い内容が語られている。
白洲次郎自身、
イギリスに留学経験もある立派な国際人。
国際人であるからこそ・・・
欧米人の真似事だけでは
日本人が馬鹿にされるということを、
嫌と言うほどよく知っているようだ。
真似事でその場を取り繕うのは
しょせん見栄。
プライドは、強い人間が持っているものだが、
見栄は、弱い人間が持っているもの。
一見してわかりにくいが・・・
見栄はやがて見透かされてしまう。
また、それを見抜けないほどの相手は、
たいした相手ではない。
自分より走るのが遅い者に囲まれて、
優位に立ったつもりでいては
・・・いつまでたっても成長できない、ね。
本当のプライドがあるなら・・・
周囲に対する愚痴ばかり言っていたり、
マイペースなんていう言葉で誤魔化さずに、
堂々と胸を張って
・・・先頭集団に割り込め。
参考文献「プリンシプルのない日本」白洲次郎=著 新潮社=刊