Episode No.1130(20020409):見抜いてほしい?
虚勢をはってる自分がいる。
本当は、それほど強くもないのに。
中には・・・
弱さを売りにしているような人もいるけど
すぐに底が見えてしまって・・・続かない。
強がる自分は、言い換えれば・・・
そうありたいと思う自分を演じている、とも言える。
演じきれたら、
それはそれで大したモノ・・・
演じきる頃には、すっかりそうなっているのかも知れない。
一方で・・・
与えられた自分の役割を
演じる自分に疲れている自分もいる。
「スーパーマンは、いつてもサ・・・
パァッと空を飛んでいかないと・・・格好悪いものね。
同じように寅さんもサ・・・
いつでも、ニコニコしてないと
寅さんらしくないんだろうな」
・・・と渥美清が語った時、
『男はつらいよ』は、本当の男のつらさを世間に公表して
その幕を閉じることになった。
もちろん、そんな言葉を語らせて・・・
国民的な人気シリーズを終わらせたのは
俳優・渥美清の意志でも監督・山田洋次の意向でもなく
不治の病だったんだけれど。
「喜劇でいちばんむずかしいのは愚かな役であり、
その役を演ずる役者は愚かではない」・・・セルバンテス
どんな人でも、時折・・・ふと、気が弱くなって
演じている自分じゃない
本当の自分を誰かに見抜いてほしくなる。
もし、見抜いてくれる人がいたら・・・
少なくとも、その人の前では、ありのままの自分でいられる。
無理して格好つけなくても・・・
自分を嫌いにならないでいてくれる相手なら
なお、結構だ。
でも、そういう相手はね・・・
言うなれば親みたいなモンだから
一緒にいて安心な反面、自分を甘やかすことにもなりかねない。
それに、一番厄介なのは・・・
そうありたい自分以上に、ありのままの自分というヤツが
いつも違う・・・っていうことなんだよな。
望むことができるのは・・・
一緒にいられる相手じゃなくて・・・
一緒に変わっていける相手、じゃないかな。