Episode No.1611(20031023)
「自己能力」を勘違いしない

車とバイクとでは
危険回避の方法はハナっから違う。

同じ道を走っているからといって
車を運転するつもりで
バイクを運転したり、
その逆をしていれば・・・
いざという時、大事故になる。

小さな事故は
「うっかり」起こるが・・・
大きな事故は
いわば「意識的」に起こるものだ。

良かれと思ってしたことが
裏目に出る。

判断の方向性が違う、
頑張り方が違うことによって、ね。

八起会という組織がある。

会社を倒産させた
元経営者が集まる会だ。

同会によると・・・
会社を倒産させた元経営者には
やはり重大な勘違いという
共通項があるという。

八起会の会員500名に行った
「あなたはなぜ会社を倒産させたか」
というアンケート結果には、
一般によく言われる
不況やバブル崩壊という
外的要因は、ほとんど見あたらない。

結果の第一位は・・・
経営者の高慢・経営能力の過信。

つまり、
自分の能力に対する勘違い、だ。

確かに考えてみれば・・・
不景気だからといって
儲からない会社ばかりではないし、
景気がよくても潰れる会社はある。

その違いは・・・
経営の中味でしかない。

できている人がいるからといって
自分も同じようにできるとは限らないし、
昔できたからといって
今できるとも限らない。

他人と自分、
過去の自分と今の自分を見る
バランスを崩して勘違いした時に
大きな事故は起こる。

こと経営者となれば・・・
一人で二輪で転倒する程度では済まない。
同乗者を巻き込む
大きな事故につながってしまう。

そんな時・・・
バイクなら、もっと加速があって
逃げられたはずなのに
・・・なんて言っても言い訳にもならない。

自分に何ができるかは
他人が知っていてくれれれば、それでいい。
自分で一番良く知らなければならないのは
今の自分に何ができないか・・・だね。


参考資料:「失敗に学ぶ経営者ハンドブック」野口誠一=著 致知出版社=刊