Episode No.1319(20021115):開眼の時代

「人間の眼は
 失敗した時にはじめて開く」・・・チェホフ

車の運転をはじめて20年くらいになる。
運転に慣れてくると
無意識のうちに、いろんなものが見えるようになる。

例えば・・・
対向車や、むこうの角に出てきた車の
運転手の顔。

こっちの車を見て意識しているかどうかが
その顔を見ると瞬時にわかる。

昔、正面衝突をした時には・・・
相手のオバさんドライバーが
こともあろうにハンドルから両手を離して
自分の顔を覆いながら突進してきたのが、よく見えた。

すっかり慣れたつもりで・・・
見えているつもりになっているのも怖いけど、
普通は見えないものが見えてくるようになると
ようやく慣れたと言えるんじゃないかな。

仕事のうえでも、よくある話だ。

普通は気がつかないところに
気が回るようになって、ようやく一人前。

たとえ見えないところでも・・・
感覚でわかるようになる。

車幅感覚なんて
本当は何年運転したって
眼で見えるようになるわけじゃないしね。

怖い思いを繰り返すと
ようやく、しっかり眼を開くようになる。

障害物のないところを
走り回っていたって・・・
運転できるようにはならないよ。

「見たがらない人ほど
 ひどい盲目はいない」・・・スゥイフト


参考資料:「リーダーシップ名言集」鎌田 勝=編著 三笠書房=刊