Episode No.1507(20030623)
自分という幻影

新しいことに挑戦して
そこで何か得ることができると
その力を利用して
その先にある、また何か新しいことに
挑戦してみたくなる・・・。

誰もが望んでいる
上手な生き方とか、充実した人生っていうのは
つまり、そういうことなんだろう、と思う。

自分らしさを表現できるのも
何かをやったから・・・で、
越えなければならない壁の前を
グルグル回っているような自分らしさは
何とも悲しい、ね。

ジャンプして越えようとするのか、
ロープでもかけて登ろうとするのか、
それとも・・・
壁に穴を掘って向こう側に行こうとするのか、
個性とか、自分らしさは
そういう部分に出てくるものであって
壁の前でUターンしてくる個性なんてものは
屁の役にも立たないし、誰も認めてはくれない。

川の流れに逆らうことはできても
時間の流れに逆らうことはできない。

人生は、ちょうどワンコ蕎麦みたいなもので
目の前のお椀を空けないと、
いくら待っても次は出てこないもんだ。

生後数ヶ月で、いきなり大人になった人もいなければ
19歳の誕生日の次の年に、30歳になる人もいない。

私が今やっている広告関係の仕事でも・・・
最初に作らせてもらったのは、
記者発表会の案内ハガキ1枚。

いきなり総合カタログなんて
任せてもらえるはずはないよ。

ところが・・・ある程度の年齢になって
できることは、まだ少ないのに
知ってることだけ多くなってくると
チャンスさえあれば
何でもいきなりできると錯覚してしまうだな。

チャンスがないんじゃないんだ。
それを獲得する実力がまだないだけ。

金まわりの悪い時こそ
借金してでも何とかしたいもんだけど・・・
金を貸してもらえるのは
充分な返済能力がある、金回りのいい時だけだ。

自分のできることを棚に上げて
周囲の環境を恨んでいるのは
・・・つまり、身の程知らず。

チャンス
それを活かせる人のところにしか
来てくれない・・・それが現実だろう、ね。


参考資料:両手に荷物を抱えている人に、新しい荷物は持てないよ