Episode No.1417(20030310):
“普通”の人々
およそ誰もが自分を“例外”だと思っている。
あるいは・・・
そう思いたがっている。
どんなにつまらない人間だって
自分にとって自分は人生の主人公なんだから
そう思うのは当然だろう。
・・・にもかかわらず、
何か決断を迫られると
つい口にしてしまう言葉がある。
「普通はそうしない・・・」とか
「一般的には、こうだ」とか。
私もそれを口にすることは多いけど、ね。
たいてい・・・
そういった方向に話を運ぼうとするのは
自分の主張をダイレクトに出すことをはばかって、
いわば世間を隠れ蓑にしている場合じゃないのかな?!
新しい仕事をとろうと思った時、とくに感じるけど・・・
「普通はこうです」と言ってしまったら
仕事をもらうことはできない。
「普通はこうですが、当社はこうです」
と言えないところに新しい仕事は降りて来ない。
どうでもいいような時には
一般論でやり過ごすのも手だろうけれど・・・
クセになるのは怖いね。
肝心な時に一般論しか口にできなければ
自分を“その他、大勢”と認めたも同然だ。
「普通はこうですが、私はこうです」
・・・そう主張するだけじゃ
わかってもらえない相手も多いだろうけど、
考え方は人それぞれだから仕方ない。
ただし・・・
その主張を実際に行動に移せれば
目の前で起きていることに対して
誰も否定できないはず・・・。
原則といえるのは・・・
一日が24時間であることだけだ、ね。
「それが正しいと思ったら、
人は秘かにそれをやり通す他はない。
他人の承認が得られないから
悪いことだろうと思う必要もなければ、
人のしないほど
いいことをしていると思う必要もない。
つまり、対人関係というものは、
定型も規則もないのである」
・・・曾野綾子