Episode No.1399(20030217)
与える喜びを知る

カトリックの作家、曾野綾子が
かつて或る教会に寄付をしようとしたら
神父は、その寄付を値切ったらしい。

支払いを値切るのは私の得意技で・・・
得意とはいかなくても
誰もが値切りたいだろう。

・・・が、
もらえるお金を値切るとは
いかなる神経なのか?

神父は、こう言ったそうだ。

「一人の方からの寄付で
 すべてをまかないたくはないのです。
 与える喜びを
 ほかの方々にも残してあげてください」

与える喜び・・・
この言葉にはさすがの人気女流作家も
目からウロコが落ちる思いだったという。

合理性の追求や競争社会の中では
獲得することが喜びで
与えることは損と思いがちだが・・・
確かに、本当の喜びは
与えることにこそあるのかもしれない。

先輩が後輩に、親が子に・・・
獲得する喜びは、
ともすれば自己満足に終わるが
与える喜びには和があるから喜びも2倍。

相手が喜んでくれれば
自分の存在価値を認識できる
・・・という喜びもある。

私自身は特定の宗教を持たず
あくまでも自分教だけど・・・
この神父の話はわかるような気がする。

季節はずれの例えだが・・・
サンタクロースと子供たちは
はたして、どちらが本当に幸せなんだろう?

まぁ、どっち道・・・
今さら子供の感じる幸せを
選べる年齢ではないんだけれど、ね。


参考資料:部屋のどこかに埋まってしまった曾野綾子の本