Episode No.1323(20021120):人格づくりに近道なし

「およそ、あらゆる事業の成り立った後を顧みれば、
 それはその人の人格の発露である」・・・小林一三

スピルバーグの偉業も・・・
つまりは、そういうことだった。

いくらマニュアル本を読んでも
一朝一夕に作り上げることができないのが
・・・人格だ。

それでは人格を磨くためには
いったい、どうすれば良いのか?

人それぞれに個性があるように
磨き方も人それぞれ・・・。

ただ、磨くからには
自分ひとりで磨いているつもりになっても
決して磨かれることはない。

具体的な方法はどうあれ・・・
他人との関わり合いの中で磨くことに変わりはない。
そこがマニュアル本では理解できないところなんだ。

自分には能力がある。
そう信じることは大切だけれども
たとえ人並みはずれた能力があったとしても
それを金に換えるためには
誰かに使ってもらわなければならない。

つまり・・・
使われることが上手な人でなければ
決して金を稼ぐことはできない。
・・・そこが、第一歩。

いろいろなノウハウ本を読み込んで
システムを構築してみるのも無駄とは言わないが
いかなるシステムも動かすのは人間。

その人間からの信用を得られなければ
何ひとつ先に進まない。

信用を得られる人格をつくる。
これだけは合理的に構築する方法などない。

合理性が必要なのは・・・
信用を得て仕事を任された、その後なんだ。

目の前の仕事を馬鹿にする人、
上司に理屈だけで勝ったつもりでいる人は
それだけで本当のチャンスを逃してるんじゃないか?!


参考資料:「私の行き方」小林一三=著 阪急鉄道=刊