Episode No.1299(20021023):三島な秋
ここのところ、
このページの書き方が
ちょいと固いような気がするのは・・・
断固として締め直さなければならない
社内外の課題があるのに加えて・・・
三島由紀夫のエッセイを読んでいるせい、だろうな。
下北沢には、
なかなかマニアックな書店があって・・・
ゲバラやマルコムXのコーナーがあったり
そこらの書店では並んでいない
三島由紀夫の本があり
先日、もの珍しさに数冊購入した。
で、今は・・・
鞄には『私の遍歴時代』。
枕元には『映画評論』。
そしてトイレには『作家論』が置いてあり
時間さえあればページを開く。
三島事件の痛烈な印象は
まだ幼かった私の脳裏にも
そのニュース映像が克明に残っている。
文学作品としては・・・
実を言うとお馴染みの『潮騒』や
作者自身が
「もしお金のない人が
三島文学に触れようとするのなら
この一冊を読めばいい」
と言った『憂国』くらいしか
まともには読んでいない。
今回、購入したのも
ごらんの通りエッセイ集ばかりで
ここ数年の間に初刊行されているものもある。
雑誌や新聞に発表されたものや
日記帳からの抜粋で構成されていて
書かれたのは・・・
昭和30年代の後半から40年代の前半にかけて。
ちなみに自決したのは45年だ。
三島由紀夫は昭和元年の生まれだから
ちょうど今の私の年代の時に書かれたもの、
ということになる。
三島作品の管理は
すでに亡くなった未亡人に代わり
現在は長男がやっているらしい。
この長男は・・・私と同じ昭和37年生まれだ。
人生の折り返し点に立って
自分の父親が、その時どんなことを考えていたのか
長男が自分の人生の羅針盤として編纂したのではないか
・・・などと、想像をめぐらせている。
「私が好きなのは、
私の尻尾を握ったとたん、
より以上の節度と礼譲を
保ちうるような人である。
そういう人は、
人生のいかなることにかけても
聡明な人だと思う」・・・三島由紀夫