Episode No.1038(20011222):損して得とれ
先日、珍しく昼飯に弁当を買ってきた。
オフィス街の歩道で昼時になると店を出す弁当屋。
昼休みのうちに売り切らないと一銭にもならなくなると見えて・・・
私が通りかかった午後1時少し前には、タタキ売り状態。
コンビニで買えば500〜600円はするだろう弁当に
みそ汁とお茶までつけて、税込み300円。
こりゃ安い・・・と思って、つい買ってしまった。
スーパーにも閉店直前を狙って買い物に行く主婦は少なくない。
私の場合、本来は・・・
いくら安くてもレジなんかで並ぶのがイヤだから
多少高くても空いてる方を選ぶんだけど。
だって・・・買えるものなら「時間」を買いたいもんね。
さて・・・
関西を中心にユニークな経営手法で話題を集めているMKタクシーが
ついに「無料」タクシーを走らせはじめた。
名古屋進出のPRとして
この1ヶ月間、当面20台の「無料」タクシーを名古屋で走らせるらしい。
困惑しているのは地元のタクシー組合。
それでなくても客足が離れて、業界として厳しいというのに・・・
足を引っ張るようなもの。
せめて「無料」なら「タクシー」とは呼ばないでほしい
・・・と眉をひそめる。
最も地元のタクシー運転手にしてみれば・・・
8,000台もあるタクシーの内、20台程度走らせたって効果はない
・・・と楽観視する声もなくはない。
ただ・・・
MKタクシーの狙いはドンピシャ当たっていると思うな。
このご時世・・・
タクシーが1日に稼げる金額は、だいたい5万円くらいだろう。
MKの「無料」タクシーが走るのは日中だけと決められているから・・・
仮にマトモに走って、1台が1日に最大3万稼げたとして
1ヶ月20台を「無料」で走らせると、
会社が負担する経費は、3万×20×30日で1,800万円になる。
今回の企画を陸運局に通すのに裁判までやったというから
実際はもっと大きな経費がかかっているだろう。
一見、大損のようだが・・・
あれだけマスコミを騒がせ
MKタクシーの接客の良さをテレビでバンバン流すのに
CMを作って流したたとしたら・・・
何千万どころか、何億もかかってしまう。
まさに、PRとは・・・こういうものなのだ。
大きな会社じゃないとできない・・・なんてことじゃない。
小さな会社だから知恵を出した。
最初からCM予算が何億もとれる会社なら考えもしないことだろう。
金も知恵もないのなら・・・ただ世の中に翻弄されるしかない。
しかも私がこのニュースを見たのは・・・
日本全国津々浦々まで放送しているNHK。
NHKにCM入れられたと思えば、安いモンだ。
同じNHKとのニュースで・・・
歳末助け合いに歌舞伎役者が中心となっている俳優協会が
サイン会などで得た利益の一部を寄付した、というニュースも流れていた。
寄付した金額は130万円。
130万で全国放送に単独で出られるのなら、それもスゴいPR。
まぁ、あくまでも歳末助け合いへの寄付が目的なんだけど・・・
そういう手もあるな・・・なんて考えちゃうのは職業病かな。