Presented by digitake.com

 

Episode No.133(990129):偶然の産物

「悪魔のように黒く、地獄のように熱く・・・」

と言われたら、何を連想するだろう? これは、大正時代、東京・京橋にオープンしたカフェ・パウリスタのキャッチフレーズ。
つまり、コーヒーのことを指している。

私も今「悪魔のように黒く、地獄のように熱い」液体をすすりながら原稿を打っているわけだが、人間が口にするものには「はたして誰がこんなモノを考えたんだろう?」と思うような不思議なモノが少なくない。

コーヒーについては以前、熱心なコーヒー屋の営業マンにこんな起源を聞いたことがある。

確かブラジルだったと思うが、たまたま山火事が起きた直後、何か香ばしいかおりにさそわれて山に入ってみるとコーヒーの木があった。
それから、その黒こげになった豆を持ち帰って、いろいろ試行錯誤してできたのが現在のコーヒーの原型・・・という話。

今や、どの家庭にでもあるような食材も最初は、ほんの偶然によってできたモノが少なくないようだ。

アメリカの銀行家だったエドマンド・マッキヘニーは1862年に南北戦争によって土地を追われ、岩塩鉱で有名なルイジアナ州の海岸沿いにある小島に逃れた。
しかし、その島も一時追われることになり、戻ってみると残されたのは荒れ果てた畑のトウガラシだけだった。マッキヘニーは、仕方なくそのままでは売ることのできないトウガラシに地元で採れた塩と酢を加え調味料として売ることにした。
これが"タバスコ"である。タバスコという名前はマッキヘニーが個人的に好きだったメキシコ南部の川"タバスコ川"から付けたもので、本来、メキシコが原産というわけではない。

また、蛸や蟹など見た目はグロテスクなものを「誰が最初に食べたんだろう?」と思うことも少なくないが、こうしたものを古代人は、鳥や獣たちが食べるているのを偶然見て、自分たちも食べるようになったという説が有力だ。

じゃあ鳥や獣たちは、どうして食べるようになったかと言えば・・・とりあえず腹が減ったから何でもよかったんだろう。

さて、自分が偶然見つけた興味深いモノをあなたは何人の人に伝えることができますか?


参考資料:「日本史249の雑学」太田 公=著 読売新聞日曜版編集部=編 三笠書房=刊
     「なんでも第一号」びっくりデータ情報部=編 青春出版社=刊 ほか

[ Back to TopBacknumberご愛読者アンケートBBS 御意見番BBS 保存版 ]