Episode No.914(20010731):いつでも自然が教えてくれる

今日で7月も終わりか・・・

7月31日といえば・・・『星の王子さま』サン・テグジュベリが昇天した日。
パイロットとして飛び立ったまま行方不明になってしまったから・・・まさに昇天。

夢のある物語を遺した人だけに・・・
ひょっとしたら、どこかに生きているかも、なんて思いたいけれど
もし生きていたとしたら・・・1900年生まれだから101歳だ。

テグジュベリが最後のフライトに立ったのは1944年・・・44歳の時だ。

「ぼくは夜になると、空に光っている星たちに耳をすますのが好きです。
 まるで5億の鈴が鳴りわたっているようです」・・・『星の王子さま』

こんな気持ちを大人になっても持ち続けることができるなんて・・・ね。

子供から大人になる課程で、一番変わってしまうのは・・・
自然から学ぶ力が衰えるということなんじゃないかな?!

いろんな道具の使い方を覚える変わりに・・・つい道具に頼ってしまったり
人間関係の重要性を知る変わりに・・・いつも人の顔色ばかりうかがってしまったり

そうこうしているうちに・・・
本当に自分は何をしたかったのか?
何ができるのかが・・・わからなくなってしまうことがある。

考えてみると、あらゆる発明発見にしても・・・
ガウディのような独創的な建築家や、さまざまな芸術家にしても・・・
発想の原点は、自然から学びとること。

実際の仕事となると、どうしてもマーティング的な考え方は必要になってくるけれど・・・
どんなに優れたマーケティングも
発想をいかに現実化するかという方法や検証の問題であって
発想そのものにはなり得ない。

ノウハウ本ばかり読んで弱り切った頭に必要なのは・・・
小川のせせらぎや、波の音なのかもね。

あんまり、こんな風に考えちゃうと・・・つい逃げ出したくなっちゃうけど。

自然の流れを変えるのが人間であることは間違いない。
でも・・・
人間も自然の一部であることを忘れたら・・・きっと無理がくる。

自分が本当に知りたいこと、感じたいことは・・・
どこを探しても書いてないよ。
書いてあるのは・・・他人が感じたことだけ。
もちろん、それがヒントになることはあるだろう・・・
でも自分の答えは自分でしか見つけられない。

5億の鈴のひとつに・・・サン・テグジュベリの声が聞こえるかな?!


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊 ほか