Episode No.699(20001122):人のつながり
今日、11月22日はおそらく日本最古の脚本家である人が亡くなった日。
今から276年も昔の話になるけど・・・
1724年の今日、71歳の生涯を終えたのは、近松門左衛門だ。
もともとはお祭りの出し物に過ぎなかったであろう古浄瑠璃を・・・
舞台芸術として完成させ、新しい歌舞伎のの脚本なども手がけた近松は"日本演劇の父"とも言われている。
近松の才能を見いだして、積極的に舞台を踏んだのは・・・
浄瑠璃の名優、竹本義太夫と歌舞伎の坂田籐十郎の2人。
やっぱり、どんな優れた才能も・・・持っているだけでは世の中に出るコトはできない。
さて、近松作品を実際に読んだコトはないけれど・・・思いつく作品がひとつ。
『曾根崎心中』・・・宇崎竜童主演でATGで映画化された。
真っ黒なサングラスが定番だった宇崎竜童が時代劇をやるというので、興味半分で観た覚えがある。
最初に観た時は、何だかイメージが合わなくて・・・
まるで新春スターかくし芸大会を観ているような気分になったが・・・
その後、宇崎竜童は・・・
同じATG作品の『TATOOあり』などにも主演して、俳優としても評価されるようになったけど。
赤塚不二夫製作、山本晋也監督で、所ジョージが主演した『下落合焼き鳥ムービー』にも出ていたなぁ。
タモリを発掘した赤塚不二夫の人脈は凄くて・・・
唐十郎が芝居を発表した「赤テント」も赤塚不二夫が寄付したモノ。
どうやら、飲んだ席で「よし俺が芝居やる場所、何とかしてやる」と言ったのが発端らしいけど。
以前「エキストラ日記」と題したエピソードでも書いたけれど・・・
どんな世界でも、マトモな人づきあいができない人は決して成功できないし・・・
自分のやりたいコトだって、やらせてもらえるようにはならないだろう。
それは決して偉い人にすり寄れ・・・ってコトじゃなくて
偉い人から見たら、その人が「どれくらい周りのコトを考えられる人なのか」ってコトが、すぐバレちゃう。
ある世界に出る・・・ってコトは
その世界にすでにいる大勢の人たちを相手にするってコトだから・・・
どんな天才だって、ひとりでは生きていけない。
まぁ、あんまり周りのコトばかり考え過ぎて自分のやろうとしているコトをアッサリ曲げちゃうと・・・
国民から反感を買う場合もあるけど、ね。