Presented by digitake.com   

 

Episode No.695(20001117):あきらめのつく生き方したい

今日は珍しく命日ではなく誕生日の話。

今から131年前の1869年11月17日・・・地中海と紅海を結ぶ、全長162.5kmのスエズ運河が開通した。
完成させたのはフェルディナンド・レセップスというフランス人外交官。

スエズ運河の構想は、もともと16世紀のベネチア商人にはじまる。
ナポレオンも計画したらしい。

レセップスは、1858年に万国スエズ海洋運河会社を設立。
当時、最新の特殊切削機を駆使し、この大事業を成し遂げた。

・・・が、11年間におよぶ難工事の間、犠牲となった作業員は、なんと12万人にもなる。
今だったら、補償問題の大きくなって、名誉など消し飛んでいたことだろう。

いくら和解交渉が進んだとしても・・・
人災による恨みは、遺族が残っているうちに消えることはないだろう。

例のケーブルカー事故はもちろんだけど・・・
もっと身近なニュースで「怖いな」と思ったのが、医療ミス。

看護婦にアンケートをとったところによると・・・
ほとんどの看護婦が多かれ少なかれ「ミスをしたことがある」らしいし・・・
9割が「もう辞めたい」と思いながら仕方なく仕事に就いているとか。

考えてみれば人間のやるコトにミスがあるのは当然。
ただ、普通の仕事なら取り戻せるミスも、人命にかかわるコトとなると取り返しがつかない。

うちの次男坊が生まれた時にも、一時は「血液交換が必要」だなんて言われて・・・
承諾書にサインするよう医師に言われたけれど・・・
いきなり、そんなコト言われたって、それがベターな選択なのかどうか素人に判断できるはずはない。
たまたま医学に詳しい知り合いでもいれば、いいんだけれど・・・。

IT革命で一番してほしいのは・・・やっぱり医療機関の情報網の整備だなぁ。
そういう計画も着々と進んでいるようではあるけれども・・・まだ私たちの手に情報はない。
例えばインターネットで症状や病名を入力するだけで適切な病院探しができるとか・・・
独自にホームページを出しているところだけじゃなくて、横一線に情報が並べられて選択できるような。
それで淘汰されてしまう病院なんて・・・ない方がいいじゃない?!

そのうえで患者が「選ぶ」というのなら納得はいくけれど・・・
現在のやり方って、どんな医者にかかるかはなかなか選ぶことはできないし・・・
その病院にどんなリスクがあるのかだって利用者にはわからない。
まったく「運」に頼るようなモノだよ、ね。

結局、最後は「運」だろうけど・・・どうせなら、あきらめのつく「運命」の中で暮らしていきたい。
それが、幸せってコトだと・・・思わない?


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか