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Episode No.466(000224):運命の意識

いくら努力しても""がないと・・・ってコトは、よく思うけれど。
"運"だ・・・と思っているコトの中には、意外とただの"習慣"や"迷信"、"思い込み"に過ぎないコトもまた多い。

突然だけど・・・
火事はコワイよね。
最近の暖房器具はよくなったから昔ほどの危険性はなくなっているように思うけど。
タバコとか、コンロの付け忘れなんかは、やっぱり気をつけないと。

昔、私の家の2軒ほど先が火事になって・・・ウチでも大切な荷物をまとめて待機したコトがあった。
子供心にも、あの飛んでくる火の粉の勢いはハッキリ覚えてる。

それから会社の倉庫が火事になったコトもあってね。
幸いケガ人は出なかったけれど、何から何まで水びたしで・・・後処理が大変だった。

備えあれば憂いなし・・・。
火災
保険や消火器の設置は絶対にしておいた方がいい。
と、今の私たちなら、そう考えるのは当然だけど、昔の人にとっては、どうもそうではなかったらしい。

火事になるのも"運"・・・だから諦めるしかないって、ね。

その"運"に敢然と立ち向かったのがドイツのM・フックス博士。
博士が1734年に考案した世界初の消火器は、ガラスの球の中に食塩溶液を詰めたモノ。

つまり、このガラス球を火に向かって投げつけるという使い方だが・・・。
何だか、やっぱり頼りないし置いておくだけで転がって割れちゃいそうだ。

現在のようなカタチの自動消火器が発明されたのは1816年になってから。
発明者は英国軍人のジョージ・マンビー大尉。
銅製のシリンダー型消火器は高さ60cm程度・・・圧縮空気で水を噴射する仕組みだ。

ところが、この画期的な発明品は・・・。
発売当初、わずか100個程度しか売れず、オモチャ程度の扱いしかうけなかった。

原因は、火事は"運"と諦める消費者の意識にあった・・・というワケ。

その意識が少しずつ変わって・・・。
マンビー大尉が発明した消火器が正当な評価を受けるまでには、実にその後50年を要した・・・という話。


参考資料:「雑学・世界なんでもかんでも最初のこと」P・ロバートソン=著 大出 健=訳 講談社+α文庫=刊

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