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Episode No.622(20000824):ビールは家庭の味だった

夏も、もうすぐ終わりだね・・・まだムシ暑いけど夏らしい日差しではなくなってきた感じ。

うちの子供たちは、まだ小さいから夏休みの宿題に追われるコトはないけれど・・・
もうちょっとしたら、今の時期にはあくせくするに違いない。
私もずい分あくせくした思い出がある・・・最期は開き直っちゃったけどね。

過ぎゆく夏を惜しむのはビール好きのおとうさんたちも同じだろう。
いまやビールは季節に関係なく飲まれるようになってはいるものの・・・
やっぱりビヤホールで飲むビールは美味い。

私は飲む時には飲むけれど・・・普段はぜんぜん飲まない。
カミさんが飲まないせいもあるけど、まず家では缶ビールも飲まない。
先日、カミさんが
台所を片づけていたら・・・賞味期限の切れた缶ビールが発掘されたほどだ。

最も私の場合、飲もうが飲むまいが・・・口数は多いし、言ってるコトは同じだけど、ね。

さて・・・
暑い中、冷えたビールを飲むのは最高・・・だけど、ビールを冷やして飲むのは日本人だけという話も。
確か家庭用の
冷蔵庫の普及とタイアップして「ビールは冷やして飲むもの」というコトが定着したと思う。

そもそもビールの起源は紀元前1800年頃までさかのぼる。
もちろん、その時代に冷蔵庫はない。

メソポタミア地方に侵入したセム族のアムール人が建設したのが、古バビロニア王国。
シュメル人が完成させていたという醸造技術を受け継いで、王国ではさかんにビールが飲まれていたらしい。

この国が最も栄えたのは6代目の王、ハムラビの時代。
王の命令で石に刻まれたのが、有名な「ハムラビ法典」。
この「ハムラビ法典」に、ビールに関する最古の記録が残されているという。

今でこそ、地ビールが各地でもてはやされているが・・・当時は地ビールしかなかった。
ビールは女性が自宅で作り、客にふるまうものだったようだ。
それが高じて商売になると、さまざまなトラブルが発生してきた。
そこで「ハムラビ法典」で、ビール酒場に対する厳しい法律を課したというワケ。

どんな風に厳しいかというと・・・

尼僧は決してビール酒場を開いたり、立ち寄ってもいけない。
ビールを飲んだ尼僧は火あぶりの刑。

ビールの代金は穀物との物々交換とし・・・
交換した穀物よりビールが少なかっり、穀物の代わりに銀を受け取った女は水の中へ放り込む。

「ハムラビ法典」が今適用されたら、真っ先に歌舞伎町からは女性がひとりもいなくなっちゃうな。
そんなこと絶対にあり得ないけど。

やがて、ビールを大量生産する技術が生まれると、次第に自宅醸造ビールはすたれて・・・
男性が生産するようになった。

味噌なんかも「手前味噌」なんて言葉は残ってるけど・・・同じパターンだよね。
着物や洋服なんかも・・・そう。

今、自宅で家族のためだけに作っているモノって、何があるのかな・・・?
食材にしても家庭菜園でもやってなかったら買ってくるモノしかないワケだし。

何かひとつくらいは、そういうモノがあるといいと・・・思わない?
面倒? でも愛情って手間のかかるモンじゃない?!


参考資料:「歴史雑学事典〜世界編」毎日新聞社=刊