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Episode No.277(990716):「白い」ブラックボックス

清潔感が感じられる色と言えば、誰もが「白」を挙げることだろう。
また、どんな色の隣にあってもマッチする色・・・と言えば「白」をおいて他にない。

家電製品に白が多いのは、どんな部屋にもマッチするように・・・ということが考えられるが、もっと機能的な意味もあるらしい。

とくに、台所の家電製品。
電気炊飯器湯沸かしポット冷蔵庫も電子レンジも・・・そして自動織機洗い機もウチの台所にある電化製品は、すべて白もしくは白に近いベージュだ。

黒系統のモノが熱を吸収しやすいのに対して、色系統のモノには放射熱を防ぐ働きがある。
したがって、日当たりのいい台所に色の濃いボディ色の冷蔵庫を置くと冷えにくくなり、電気代が余分にかかることにもなりかねない。
そういうせいもあるのか、不景気になると白が流行するという説もある。

一方、白はこまめに掃除をしないと汚れがよく目立つ。
買ったばかりの頃は、それこそ"まばゆい"ばかりだが、すぐに薄汚れてしまう。
古くなったことをいち早く認識してもらうという意味で、家電メーカーにとっても商売上、白い方がいいのかもしれない。

さて、ウチの台所には、わりとキレイな電子レンジと手アカにまみれた電子レンジが2台置いてある。
古い方が壊れてしまい、あわてて新しいのを買ったら、案外簡単に直ってしまって、その後は壊れることもなく、このような状態になってしまった。

あれば便利だろう・・・と思って、そのままになっているが、2台をいっぺんに動かすことなどは、まずない。
第一、電子レンジを2台一度に動かしたら、そこから出てくる電磁波はものすごいことになるだろう。
まぁ、パソコンも同じことで常時2〜3台のパソコンを前に仕事をしている私にとってみれば、つねに電磁波の嵐の中にいるようなものだが・・・。

もともと電子レンジの原理であるマイクロ波は軍事用レーダーとして開発されたもの。
開発チームで働いていた技師が、ポケットにしのばせておいたチョコレートがドロドロに溶けていることに気づき、マイクロ波が熱の変わりにもなることを発見した・・・というのが電子レンジとして家庭用に転化されるようになったきっかけ。

チョコレートだったという話もあれば、キャラメルだったという話もあるようだが、いずれにしてもこの軍事用レーダーを研究していた技師が甘党でなかったら、今ウチの台所に電子レンジが二段重ねで置かれることもなかったろう。

仕事に直接関係のない趣味趣向が仕事に大きな影響を与え、広がりを持たせる・・・とことは間々あることだ。
何ひとつ、おろそかにはできないモンだねぇ・・・。


参考資料:「すっごく役立つ雑学帳(1)身近な日用品篇」素朴な疑問探究会=編 KAWADE夢文庫=刊 ほか

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