Episode No.604(20000803):面倒なコトなんて、ひとつもない 「恋はまことに影法師。いくら追っても逃げて行く。 こちらが逃げれば追って来て・・・、こちらが追えば逃げて行く」 『ウィンザーの陽気な女房たち』第二幕第二場・・・作者はウィリアム・シェイクスピア。 52年の生涯に37篇の劇作品を書いたと言われるシェイクスピアは・・・ 坂本龍馬と同様に、誕生日が命日だったとされているけれど・・・その人生は謎に包まれた部分が多い。 実はシェイクスピアは実在の人物ではなく、複数の作家が共同で使っていたペンネームだったとか・・・ 同時代に活躍したベーコンだったという説まであるくらいだ。 いまだに墓が発見されていないコトから、こんな珍説が後を絶たないんだけど・・・ ともあれ、名作を言われる数々の作品が遺されているコトは確かで、現代を生きる我々にとっては、それで充分という気はする。 『夏の夜の夢』には 「バラは香水となって、その香りを残してこそ、地上のしあわせを受け取るのだ」 というセリフもあるくらいで。 さて、冒頭の言葉・・・ 十代の頃には"片思いの大家"としてならした、この私も・・・ 三児の父親となるとチト縁遠い言葉にはなっている。 ただ、情熱的な恋心というモノは、何も異性に対するモノだけではない・・・と思う。 今の私にとっては、冒頭の言葉の「恋」の部分を広い意味での「仕事」と置き換えると、すごくシックリきたりする。 広い意味・・・というのは、今スグ金になるワケではないけれど「やってみたいコト」を含めるという感覚。 と、考えると・・・私は仕事に恋をしているのだろうか? 職業不倫は、たくさんしているけれど・・・ 仕事に恋している分には、今の私にとっては健康的で・・・カミさんからの評判もいい。 食べていくための仕事の方は、ついひと月ほど前まで逃げられっぱなしだったんだけど・・・ 今は寝る間もないほど追われっぱなし。 でも、追うコトをやめてしまったら・・・追われるコトもなくなって・・・ 頭も足も衰えていく一方なんだろうな。 毎日、いろいろあって・・・生きてて飽きないから、ま、いっか。 どんなコトにしても、他人から必要とされるというのは嬉しいコトだから、ね。
参考資料:「シェイクスピア名言集」小田島雄志=著 岩波ジュニア新書=刊
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