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Episode No.598(20000727):健康第一

先日、
芥川龍之介の自殺の話にふれたら・・・
BBSやメールで「どんな偉業を成しえても自殺はダメ」という読者の意見が少なからず寄せられた。

みなさん、健康的で何より・・・!
不健康な金持ちと健康な貧乏人だったら・・・やっぱり健康な方がいいと思わない?

自殺の原因として「ノイローゼ」という言葉を聞くけれど・・・
はたしてノイローゼ・・・って何だろう?

ノイローゼは医学用語なので、やっぱりドイツ語だ。
Neurose・・・主として精神的な原因で生ずる、神経機能の障害。
神経症、ヒステリー、神経衰弱などを指す。

同じコトばっかりやってると・・・かかるって言うよね。
まぁ、言ってみれば精神病における症状の一種だけど・・・
医学界でもいろんな考え方があって混乱をまねいているようだ。

ノイローゼの代表格(?)といえる神経症は、もちろん広い意味では精神病に入るが・・・
「自分で自分がおかしいという自覚がある」という点が、いわゆる精神病患者とは異なる。
だからと言って「軽い精神病」と表現していいかどうかは・・・また論議の分かれるところだろう。

よく「頭のいい人は精神病にかかりやすい」と思われがち。
天才と言われた芸術家が自ら死を選ぶのを見ても「きっと考え過ぎなんだ」と・・・確かに思えなくはない。

アインシュタイン夏目漱石など、天才の脳は実際、常人より重かったりもする。
コンピュータがそうであるように、きわめて精密なモノは、きっと壊れやすいな違いない。

ところが精神科医に言わせると、決してそんなコトはないらしい。

人間の脳は、知能が高かろうが低かろうが、構造的には何ら変わりはない。
組織学的な変化を調べるという試みもされているが・・・今のところ何も見つかってはいない。

つまり、精神病は呼び名の通り、はっきりとした「病気」であり・・・
通常の精神生活の延長線上にあるモノとは、まったく違う・・・という。

煙草を吸いすぎれば、ガンになる確率は高いが・・・愛煙家とガン患者は明らかに違う。
・・・と、そんな感じだろうか。

ただし、神経症の治療にあたっては、知能が高い方が治りは早いようだ。
カウンセリングで、患者が自分に起きているコトを自分で把握できるようにするために・・・
"言語化"というモノを行うらしいが、言語化するためには知能が高い方がやりやすいというワケだ。

そういえば、こんに話も聞いたコトがある。

政治家のような、社会的に地位の高かった犯罪者とチンピラは取り調べの扱いもまるで違うという話。
これまで人並みに扱ってもらう機会の少なかったチンピラには、丁重に接し・・・。
これまで人に命令ばかり出していたような相手には、いきなり怒鳴りつけてプライドを無くさせる。

ポイントはやっぱり・・・バランスだね。
健康だってバランスの取れた食事や考えがなきゃ保てないし。

どんなに軽い荷物でも同じ方の手で持ち続ければ、手を痛めるコトになる。

時々、意識して野菜を食べたりするように・・・考えるコトを変えてみる必要もあるかも、ね。


参考資料:「大疑問」マガジンハウス=刊 ほか

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