Episode No.584(20000711):英語は得意? 最近は外国のテレビドラマでも・・・。 会社帰りにカラオケのシーンなんてのが出てくるコトがある。 英語の歌詞が含まれている歌をカラオケなんかで歌うと・・・。 「おっ、歌い慣れてる! スゲー」って思わず喝采が沸いたりするよね。 つい、先日もそれで大騒ぎしてきたところだけど・・・私はまったくダメ。 極力、英語の歌詞が入っているモノは避けちゃう。 もはや、英語を世界共通語として認めない人は少ないだろう。 大国アメリカの言葉であるコトはもちろんだけど・・・コンピュータ言語も基本は英語みたいだし。 で、今日の話題は「どうしてアメリカで英語が公用語になったのか?」という話。 そりゃあ、イギリス人の移民が作った国だからだろう・・・と思ったら、それだけでもないらしい。 だいたいアメリカの国名の元となった探検家アメリゴ・ベスプッチは、イタリア人だしね。 時は1774年・・・イギリスと独立戦争で戦ってる最中のコト。 アメリカ各地の植民地代表が、ペンシルヴァニア州フィラデルフィアに集まった。 フィラデルフィアといえば、映画『ロッキー』で有名な場所。 でも当然、まだスタローンの銅像は建ってない。 そこで開かれたのが、第一回大陸会議。 対イギリス戦への取り組み方や新しい国家をまとめていくための、さまざまな問題が話し合われた。 そのテーマのひとつとして取り上げられたのが「公用語をどうするか」という問題。 イギリス人の移民が多かったとはいえ、当時はイギリスと戦争中。 日本でも戦時中に野球で「アウト」を「ダメ」と言い換えたように・・・。 その時は「英語なんか論外だ」という雰囲気が強かったという。 候補に挙がったのは、ドイツ語、ヘブライ語、フランス語。 中でも会議の開かれたペンシルヴァニア州周辺にはドイツ系の移民も多く・・・。 加えて、イギリス軍の傭兵だったドイツ部隊が脱走して独立軍に寝返って戦ったというコトもあり、ドイツ語が公用語となる可能性が高まった。 しかし、話し合いの決着はそう簡単にはつかず、最後は民主的に投票で決するコトになった。 そして投票箱のフタを開けてみれば・・・やっぱり数の力で英語が公用語に決定。 しかも、二位のドイツ語との差は、わずか一票! 最もドイツ語が世界共通語といわれる世の中になっていたとしても・・・。 私は日本語の歌しか歌えなかっただろうけど、ね。
参考資料:「ベルリッツの世界言語百科」チャールズ・ベルリッツ=著 中村保男=訳 新潮選書=刊 ほか
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