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Episode No.507(20000412):老いては時代に従え

「其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、
 侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」

今日は孫子の教えを甲州流軍学の極意とした戦国大名、武田信玄の命日だ。

信玄が死んだのは今から427年も前の1573年・・・享年53歳だった。
その死因は一般には病死と伝えられているが、
徳川軍との合戦の折り、鉄砲で撃たれて重傷を負ったコトが病の発端・・・とも言われている。

戦国大名と言えば、合戦シーンの勇姿ばかりをイメージしてしまうが・・・。
敵を倒すコトだけではなく数多くの経済政策も打ち出している。

ことに領民思いとして知られる信玄は、堤防を築いたり、金山を開いたり、領国をまとめるために努力を惜しまなかった。

新しい政策をドンと打ち出して、実際にそれを実行するためには、まず何が必要か?

非凡な才能や行動力・・・というコトは言うまでもない。
では既成概念にとらわれない非凡と思える才能や身軽さを裏付けるモノは何かと言えば・・・。
やっぱり・・・
若さだろう。

信玄が領国のトップに立ったのは、21歳の時。
領民に評判が悪かった父、信虎を強引に駿河の今川氏に預けて跡目を継いだ。

もちろん、お年寄りの言葉には耳をかさなければならない話は多いと思うけれど・・・。
実際に動かすのは若い者でなければ無理だ。

「成功者は、同じ方法で成功しようとした時、失敗する」という話は
前にも書いたけど、組織をダメにするのは、いつも経験豊かなベテランだ。
自分の物差しがキッチリできあがっているのはいいけれど・・・それが時代の物差しにマッチしなければ、まったく意味がない。

じゃあ時代ってなんだ??
と考えると実に難しいし、そんなコトが簡単にわかれば困る人はいないんだけれど。

少なくとも人間が動物として真剣に考えられる時代は、自分が生きているであろう範囲だけじゃないかな。
100年先のテクノロジーなんて想像もつかないし、来年何が流行るかすら誰も知らない。
だけど、21世紀を真剣に考えられるのは、21世紀に活動をする人たちだけ・・・だと思う。

そういうコトをふまえたうえで、若者と年寄りがもっと連携できればいいのにな。
お互いのせいにばっかりしていないで、さ。

若者は風の如く、年寄りは山の如くドッシリと、でも邪魔にはならず。
・・・セコイとこだけ火の如くっていうんじゃ困るよ、なぁ。

でも、いつかは私も老害だと言われちゃうのかも。
あ・・・明日、
誕生日です。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊
     「日本の歴史人物事典」笹原一男=責任編集・考証 集英社=刊

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