Presented by digitake.com

 

Episode No.399(991206):石橋を叩き割れ

昨日、12月5日はウォルト・ディズニーの誕生日だった。

円谷英二と同じ1901年生まれだから、生きていれば98歳。
21世紀初のクリスマス頃には生誕100周年を迎えるから、
ディズニーランドではきっと大がかりなイベントが催されるに違いない。

ちなみに亡くなったのは1966年・・・65歳だった。
フロリダに2つ目のディズニーランドであるウォルト・ディズニー・ワールドが完成したのはウォルトの没後5年が経過した1971年10月。

ウォルトの遺志を受け継ぎ、このプロジェクを完成させた兄ロイは、ディズニー・ワールドの名称の最初にあえて"ウォルト"の名前をつけた。
「これでウォルトに会わす顔ができた」と言い残してロイ・ディズニーが亡くなったのは、ウォルト・ディズニー・ワールド完成のわずか2ヶ月後のコトだった。

さて、世界のエクセレント・カンパニーと賞されるディズニー・プロダクションは、ご承知の通り現在も躍進を続けている。

先日アメリカで公開された『TOY STORY2』は、つい先頃まで全米を揺るがしていた『ポケモン』旋風を早くも駆逐する勢いでヒットしているらしい。
考えてみると『ポケモン』の場合は、子供にせがまれた親が劇場に足を運び、『TOY STORY2』の場合は親が積極的に子供を劇場に連れて行っている・・・という気がしてならない。

『TOY STORY』は劇場で続編が公開される運びとなったが、最近のディズニー作品は、まず劇場用作品が作られて人気を博すと、続編以降はオリジナルビデオとして販売されるケースが多い。
『アラジン』も『ライオンキング』もそうだった。
間もなく『ポカホンタスII』も発売される。

実に賢い商売・・・という感じがしないでもないが、これは日本の場合とまったく逆のパターンと言える。

日本の場合にはアニメに限らず、まずテレビ化が先行し、人気が見込めるとようやく映画化となる場合が多い。
映画は巨額な予算がかかるプロジェクトだからコケるコトたら大ゴトだ。
したがって考えようによってはディズニーよりも商売としては着実である。
が・・・観客から見れば新鮮さに欠ける。

ディズニー・ブランドだからコケない・・・というコトはないと思う。
問題は、新しいモノを生み出そうというスピリットの違いなんだろうな・・・やっぱり。

少なくとも守りに入ってしまった企業には、いくら安定感があっても魅力はないし、将来性も心配だ。


参考資料:「ウォルト・ディズニー〜創造と冒険の生涯」ボブ・トマス著 玉置悦子/能登路雅子訳 講談社刊

[ Back to TopBacknumberご愛読者アンケートBBS 御意見番BBS 保存版 ]