Episode No.329(990915):自分もいつかは・・・敬老の日 先日、久しぶりに祖母に会った。 祖母は90歳。東京育ちで、もちろん関東大震災も経験している。 それも物心は充分についていたであろう14歳の時にだ。 さすがに足腰は多少弱ってきているようだが、口は達者で元気な様子。 5人の娘たちのうち、3人まではすでに孫がいる。 祖母から見れば当然、曾孫。 この日、7人目の曾孫と初対面して、来月には8人目も誕生する。 このくらい長生きだと、とにかく長生きしていることだけでスゴイという感じがしてくる。 男である私の場合、まず生きているうちに曾孫の顔までは見ることができないだろう。 幸いすでに子供はいるから、元気でいれば何とか孫くらいは見ることができるかも知れない。 最も、まだまだ孫の顔を楽しみにする歳ではないけれど・・・。 少子化の一番の原因は何だろう? 安心して子供を育てられる経済力や環境がない・・・という人も多いけれど、それじゃあ、戦前、戦中、戦後の混乱期を生きてきた祖母たちの時代は、はたして安心して子供を育てられる環境にあったのだろうか? 少子化の原因のひとつには、高学歴化による晩婚傾向が挙げられると思う。 男女ともに高学歴であることが当たり前ともなった現代は、確かに恵まれた時代に違いないが、高学歴化は結局のところ、社会や親たちが望んでいるモノで、決して子供たちが望んでいるわけではない。 少々イジワルな考え方をすれば、子のためというより、親の安心のためと言えなくもない。 子にしてみれば、その体制に乗っかっることによって、社会に出て働くまでの"執行猶予期間"が得られるというメリットがある。 つまり無責任な子供でいられる時間の延長・・・である。 かく言う私も学歴は"長い"けれど、ね。 それに比べて、昔の人たちは「15で姉やは嫁に行き♪」と歌われるほど大人になるのが早かった。 決して、結婚ばかりが大人の証とは言えないが、大人になれないと絶対にうまくはいかないのが結婚。 子供が子供を育てられるワケはない。 それだけ昔は、早く大人にならなければ生きていけない厳しい時代だった・・・とも言えよう。 厳しい時を若い頃に過ごして、大勢の子供や孫に囲まれて至上の幸福をつかむか。 それとも少しでも子供でいられる時間を長くして、後で苦労したり、寂しい晩年を迎えたりするハメにおちいるか・・・。 どちらにしても人生、楽ばかりはできそうにない。
参考資料:とくになし
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