思春期を考える(5)
第三思春期について
One week to think about puberty.
少なくとも人生には
3回の“思春期”がある…ことを発見した。
…こと、男には。
30代前半から
30代半ばくらいにやってくる第二思春期が、
主に仕事などの外部環境と
自分の考え、立場などのギャップから起こることから、
とくに「男には」多い傾向がある。
対して、
40代半ばから
50代前半くらいにやってくる第三思春期は、
まだまだ若いつもりでいるが、
決定的に体力が衰える年代。
老眼を感じはじめ、
女性の場合にはさらに体調変化は著しく、
いわゆる更年期障害と呼ばれるが、
何も更年期障害は女性特有のものではない
…と最近は言われるようになった。
ところで近年は
男性が乳がんにかかるケースも増えているとか。
素人が一概には言えるものではないが…、
仕事をはじめとする
社会への関わりにおいて、
昔に比べて男女の格差が軽減したことは、
平和の象徴であると同時に、
悩みや病気も平等になるということにつながる。
常々思うのは、
差別はよくないが、区別は必要だということ。
さらに、あまりに“同じ”になってしまっては、
お互いを必要だと
思えなくなってしまうのではないか?
片方が具合の悪い時、
もう片方が元気であればいいが、
両方同時に具合が悪くなつてしまうようでは、
助け合うことも難しくなる。
ひょっとしたら男女平等の謝った解釈が、
離婚率の増加を招いている
一つの要因なのかもしれない。
さて、話を戻そう。
10代の思春期の特効薬は“恋”。
そして、
30代前半から30代半ばくらいの
第二思春期の特効薬は“愛(結婚)”。
ならば、
40代半ばから50代前半くらいの
第三思春期は特効薬は、いったい何なのか?
その最中にいる自分にとって、
まさに模索中ではあるのだが、
自分や同世代の連中を見ても顕著なのが、
かつていわゆる青春時代に
熱中していたようなことを再度はじめたりする。
バイクに乗ったり、バンドをやったり…。
40代半ばから50代前半という世代は、
体調の変化と同時に
生活の大部分を費やしてきた子育てが、
だいぶ手薄になってくる時期でもある。
その開いた穴を埋めるものがないと
バランスがとれなくなることは見えている。
“恋”も“愛(結婚)”も、
つまり“熱中”できるものを持つことである。
忙しいことが幸せであることを
過ぎてみれば感じるものだ。
私自身、大型バイクの免許をとったのは
40歳を過ぎてからなので、
若い頃と違って、
まず頭で乗ろうとした経験がある。
大型バイクに乗る時の注意事項として、
コケそうになったら、アクセルをふかす
…というのがある。
四輪の車なら、
止まっている状態が最も安定しているが、
二輪の場合、ことに重量のある大型では、
止まっている時が最もコケやすい。
立ちゴケというのは誰もが経験するもの。
走っている時が最も安定しているから、
コケそうになったらアクセルをふかす。
…すると傾いた車体が起きてくる。
この自然の法則は、
当然、二本足で歩く人間にも当てはまる。
とくに腹回りばかり
大型化してしまった中年には…。
ただし、
がむしゃらにやると、かえって怪我の元。
50代のバイク事故や
山での遭難事故が
急増しているというニュースはよく耳にする。
昔だって同じ現象はあっただろうけれど、
50代を若く演出するものは少なかっただろう。
豊かさは容易に夢と呼ばれる錯覚を作り出すのだ。
そう、容易に叶う夢は、ただの錯覚である。
身体をはったことでなくても
怪我をすることは間々ある。
年甲斐もなくアイドルに夢中になって、
女房子供から
三行半を突きつけられた例も身近にあったし…。
逆に夫婦生活がうまくいかず、
その心の穴埋めをするようにアイドルに熱中して、
友人から覚めた目で見られる場合もある。
度を知ってバランスを崩さないことが
大人ということなのだが…
思春期に入ってしまうとそれができない。
極端から極端へいくことで
バランスをとろうと試みるが、
年を追う事に、その幅が広がっていくから、
…勢い余って向こう側に落ちる危険もあるのだ。
【明日につづく】
back
01思春期とは何か
02第一思春期について
03思春期は20年周期でやって来る
04第二思春期について
Copyright 1998-2013 digitake.com. All Rights Reserved.
|