でじたけの「人生日々更新」戦争

Episode No.4363(20120815)[生活]Life

戦争
About war.

私の両親の時代…
心の棘は、間違いなく戦争だったろう。

明日をも知れぬ命をみんな大切にした時代。

実際、読んではいないのだけれど…
三島由紀夫の小説に
「若人よ蘇れ」という短編があって、
作者自身がインタビューで、
そのコンセプトを話している。

戦時中の若者たちをスケッチしたこの作品で、
作者自身が一番描きたかったのはカップル。

デートの待ち合わせをしても、
待ち合わせをした公園が
爆撃を受けてなくなっているかもしれないし、
空襲でどちらかが死んでいるかもしれない。

戦争が終わって、もう爆弾は降ってこない。

約束をした場所は、
明日も間違いなくあるだろうし、
自分たちも、まず突然命を失うことはない。

…と、燃えるような恋は冷めてしまった。

皮肉な話だが、わかる気がする

恐怖も、そして傷つくことも…
避けようとすればするほど追いかけてくる。

やがて、受け流し、
あるいは上手く付き合う方法を見いだして
大人になってゆく。

自分たちを傷つける現実があるから、
お互いを必要とすることができ、
また、嬉しくも悲しくも一人では生きていけないもの。

もちろん戦争に巻き込まれるのはゴメンだが、
何らドラマのない世界が平穏だとしたら
…平穏も望まない。

ゲーテは…
毎日が日曜日なら、こんなに退屈なことはない
…と言った。

考えてみれば、ずい分と勝手な言い分だけど。
何かをつかむために…

だから…人生、日々更新。

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