Episode No.4236(20120320)[生活]Life

三島由紀夫という病
The heart that Yukio Mishima stuck in.
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過去40年間
心にひっかかっていることと言えば…

特に読書家でもない私が、
昭和を代表する作家…
三島由紀夫に興味を抱くのは、
やはりあの強烈な事件の印象が
色濃く残っているからだろう。

昭和45年11月25日
その時、小学2年だった私は、
ニュース映像に映し出される
演説をする男の姿に釘付けになった。

事件の意味など、到底わかるはずもない。
ただ、異様な緊張感だけが伝わってきた。

そして、
その緊張感が永遠のものになったのは、
男が首を切り落として死んだ
…という話を聞いてからのことだ。

私にとって
ノーベル文学賞候補にまでなった秀才で、
主演映画まである人気者が、
割腹自決をしたというインパクトと…
モデルか女優に見えるほどの美女が、
内蔵を露出した恐ろしい絵を描いているという、
その不可解さは…
まるで心の同じ部分を
思いがけず突き刺されたように感じている。

突き刺さった小さなトゲのようなものは、
理解”という光明に照らされない限り、
決して抜け落ちることはない。

理解…すべきなのかどうかさえわからぬまま、
40年以上の時が流れた今、それは
いい、とか悪いとか…
必要、とか不必要とか…そういった
理性的に選ぶことのできる次元ではなく、
もはや“持病”と言っていい。

ただ、そうした持病持ちであるが故、
時々立ち止まって考える機会を得ることもあれば、
後押しされることも少なくない。

持病とうまく付き合うことで、
むしろ健康を保てる場合もあるだろうし、ね。

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