でじたけの「人生日々更新」セザンヌの木漏れ日

Episode No.4303(20120606)[偉人]Great man

セザンヌの木漏れ日
Sunshine filtering through foliage of the Cezanne.

画家といえば貧乏暮らしで、
生きているうちには、
なかなか認められなかった…というイメージが強いのは、
ゴッホのせいだろうな、おそらく。

この間、国立新美術館で観てきたセザンヌ
結構、裕福な暮らしぶりで、
あちこちにアトリエを構えていたらしい。

絵が売れていたから、ということもあるが、
もともと父親が銀行家で
資産があったのが大きな理由だろう。

セザンヌの作品で有名なのは、林檎を描いた静物画だ。

同じ画面に異なる角度から見た林檎や置物が描かれていて、
見る者に奇妙な感覚を与える。

この描き方をもっと極端にしていったのが、
誰でも知ってるピカソ

ピカソは見えない反対側の横顔まで描いて、
「何だ? これは?」と人々を驚かせた。

そもそも伝統的な絵画技法は写真のない時代に生まれた。

写真が登場すると…
絵画には絵画でなければできないことが求められたわけだ。

売れる絵…に最も必要とされるのは、
その人でなければ描けない世界があること、だろう。

だからセザンヌは実験を繰り返し、
父の資産を食いつぶす前に売れる作品を描くことができた。

国立新美術館で観てきた、数々のセザンヌの作品の内、
私が最も「凄い」と思ったのは、林檎ではなく、
農夫が木陰に腰掛けて休んでいる絵

ルノワールも木漏れ日を描いているけれど、
セザンヌの凄いところは…
近づいてよく観ると、木漏れ日の部分が
白い絵の具で塗られているのではなく、
何も描かれていない、キャンバス地むきだしなところだ。

白絵の具を使わない水墨画
滝や雪を描くときには観る手法だけれど…
油彩でそういうことをしているのは初めて観た。

ルールを自分で作ることができるのが個性なんだな。
他人に迷惑をかけることとなると…わがままだけど、ね。

他人から支持を受けることができる
心地よいルール…それが人気だ。

Copyright 1998-2012 digitake.com. All Rights Reserved.


人生日々更新 -Main-