─最初からどだい
無理なスケジュールなのに
アニメの仕事を引き受け
スタッフに逃げられても
あきらめず
独りで全部やろうと
さらに状況を悪くし…
決して妥協することなく
リテイクを連発して…
ついにはヘトヘトになって
コピー機と机のすき間に
ダンボールを敷いて寝ている…
これが日本一の
世界一の漫画家
神様と呼ばれる男
手塚治虫なんだ…!!!
ヴィレッジヴァンガードの
マニアックなコミック・コーナーに
平積みされていた…
「ブラック・ジャック創作秘話
〜手治虫の仕事場から〜」
原作=宮崎 克/漫画=吉本浩二
…タイトルだけ見て、当然買った。
アトム世代の私にとって
手塚治虫は永遠に漫画の神様。
それにしても、
作品そのものではなく…
中年のおじさんの、
この無茶な仕事ぶりに、
何故こうして
感動を覚えてしまうのだろう。
そつなく無理なく
生きていこうとすることに、
罪悪感さえ覚えてしまう。
どの道、思い通りになど
ならないものなら…
もっと無茶すべきなのかも、ね。
少なくともそれが
ズルい大人にならないための方法だ。