Episode No.4218(20120228)[生活]Life

恐怖の素
The fear is done for imagination.

先日見た、スピルバーグ監督へのインタビューでは、
こんなやりとりも印象に残った。

JAWSの時には大仕掛けな機械を使って
 撮影をされたと聞いていますが、
 もし、あの当時に現代のようなCG技術があったら、
 あの映画はどうなっていたと思いますか?

─おそらく、あのような大きな成功を収めることは
 できなかったでしょう。
 機械仕掛けの巨大なサメは、私たちの言うことを
 なかなか聞いてくれなかった(笑)。
 そのために私は
 大幅に演出プランを考え直す必要があり、
 いかにサメを出さずに恐怖を作り出すか必死でした。
 その結果、あの、
 泳ぐ人たちの足元の映像ができたんです。
 あれを見て、観客の皆さんは、個々に
 恐ろしいサメの姿を想像してくれたでしょう。
 つまり、あの映画は
 観客の皆さんの想像力によって成り立っているのです。

…細かな言い回しは違うかもしれないけれど、
だいたいこんなニュアンスの話をしてた。

撮影現場の土壇場で飛び出したアイデアが
映画史に残る名シーンを生んだのは、
黒澤明監督「七人の侍」と同じ

そして…
恐怖や心地よさの記憶を突かれることによって、
心を揺さぶられるのは絵画と同じだね。

そういえばJAWS公開当時、
怖くて風呂にさえ浸かれなくなった人がいる
…というニュースを聞いた記憶がある。

もともと想像力で怖がらせていたから、
想像力が働きすぎてしまった結果だろう。

喜怒哀楽…ことに恐怖は、
やっぱり現実より想像していることの方が恐ろしい

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