─監督ほどの方でも
毎日現場に出る時には緊張なさると
うかがいましたが?
─ええ、ものすごく緊張しますし
不安でいっぱいです。
でも、この緊張や不安が
実は自分を成長させてくれているのだと
思います。
なぜなら緊張や不安がない状態というのは、
いわば自信過剰になっている状態で、
ともすると努力を怠ってしまうからです。
…この実に謙虚な受け答えをしている監督とは、
あのスティーブン・スピルバーグ監督。
スポーツジムでウォーキングマシンに乗ったら、
目の前のモニターに映し出されてた。
NHK「クローズアップ現代」でのインタビューだ。
若手ヒットメーカーと呼ばれていた
スピルバーグ監督も御年65歳。
もう相当なベテラン監督に違いないが、
引退など微塵にも考えていないという。
ファンにとっては嬉しい話だけれど、
一方で常に大ヒットを飛ばした作品の
さらに上を行く作品を
作り続けなければならないというのは、
相当にしんどい仕事だと思う。
これが歌手だったら、
昔懐かしい歌を何度繰り返して歌っても
観客は拍手喝采するだろうけど、ね。
最も同じことをひたすら繰り返すというのも、
それそはそれでかなりのエネルギーが必要だろう。
緊張感や不安から逃げ出す時間を
癒しの時間とか何とか言って求めたがる輩が多い中、
どんな世界でも
一流の仕事をしている人たちは、その真逆。
自分らしさを追求したければ…
安易に癒しを求めず
緊張や不安と戦う姿勢が必要だな。