Episode No.3864(20110111)
意訳の的 The mark of the free translation
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翻訳家・額田やえ子さんの本をまだ読んでる。

昨日、この話題を書いたから、
とっくに読み終わっている
…と思われたかもしれないが、実はまだ半分。

本は好きで、何かに興味を感じれば
関連の書籍を次から次へ読むのだが
…何せ読むのは遅いのだ。

いわゆる斜め読みができない。
全部頭の中で場面にしないと入ってこない。

で、ようやく入ってくると
今度は対話が始まってしまう。

まだまだ先があるというのに、
あるキーワードから自分の想像がふくらむ。

翻訳家の額田さんは、
「誰がやっても同じ」になる仕事は
意地でもやりたくなかったという。

だから細かいことまで調べ上げて、
ぴったりくる日本語をあてた。

とはいえ、アメリカと日本とでは
文化も習慣も当然違うし、流行しているものも違う。

インターネットが当たり前になった今なら、
かなり情報の共有化はできているけれど、
…40年前じゃそうはいかない。

日本人に馴染みのないことを単純に訳しただけでは、
言いたいことは伝わらないのだ。

そこで必要になってくるのが「意訳」

言葉は違っても言いたいことは同じ。
例え話などにはよくあることだろう。

考えてみると、日本人同士だって
住んでる場所や世代が違えば常識は変わる。

両方をわかっている者が、うまく意訳をしないと
ピンと来ないことはたくさんある。

40代後半の我々にとって
土屋アンナは、昔のアン・ルイスだもんな。

しかし、こうして
後々の我々にも話しかけてもらえるような、
そんな仕事を遺した人々には
敬意を表すのはもちろん…永遠の憧れだな。

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