Episode No.3509(20091124)
最も確実=まったく曖昧

ルネサンス絵画の特長は…
淡い光の中のような輪郭すらはっきりしない感じ。
一方、
リアリティを追求した劇画的なバロック絵画では…
ハッキリとした輪郭、
そしてあたかも舞台上の人物を見るような
臨場感がある…と「日曜美術館」で解説してた。

なるほど…
ルネサンス時代、
ラファエッロが描いた「キリストの遺骸」は、
いかにも絵画的な感じがするけど…
約100年後に
カラヴァッジョが同じ主題で描いた絵画は、
まるで舞台の写真を見ているような感じだ。

いや…待てよ。

かつて美術館で観た
写真のような「だまし絵」の特長は、
輪郭がはっきりしていなかったことにある、と思う。

輪郭…っていうのは、
そのものにあるわけじゃなくて
光が作るもの、なんだよな。そうだ、そこだよ。

つまり、この絵の大きな違いは、
光のとらえ方、あるいはあて方の違いが大きい。

照らし出す光によって、見え方が異なっているだけで
…描かれているものは同じなんだ。

そういえば…
マイ・フェア・レディ』などの作品でも知られる
ノーベル賞作家ジョージ・バーナード・ショウが、
自分の顔を2パターン見せて…
さぁ、どっちが賢そうに見える?
でも、両方とも同じ私だ
…ってなことを言っていたのを思い出した。

バーナード・ショウ-digitake.com

最も確実で、まったく曖昧なのが…現実だな。


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