ルネサンス絵画の特長は…
淡い光の中のような輪郭すらはっきりしない感じ。
一方、
リアリティを追求した劇画的なバロック絵画では…
ハッキリとした輪郭、
そしてあたかも舞台上の人物を見るような
臨場感がある…と「日曜美術館」で解説してた。
なるほど…
ルネサンス時代、
ラファエッロが描いた「キリストの遺骸」は、
いかにも絵画的な感じがするけど…
約100年後に
カラヴァッジョが同じ主題で描いた絵画は、
まるで舞台の写真を見ているような感じだ。
いや…待てよ。
かつて美術館で観た
写真のような「だまし絵」の特長は、
輪郭がはっきりしていなかったことにある、と思う。
輪郭…っていうのは、
そのものにあるわけじゃなくて
…光が作るもの、なんだよな。そうだ、そこだよ。
つまり、この絵の大きな違いは、
光のとらえ方、あるいはあて方の違いが大きい。
照らし出す光によって、見え方が異なっているだけで
…描かれているものは同じなんだ。
そういえば…
『マイ・フェア・レディ』などの作品でも知られる
ノーベル賞作家ジョージ・バーナード・ショウが、
自分の顔を2パターン見せて…
さぁ、どっちが賢そうに見える?
でも、両方とも同じ私だ
…ってなことを言っていたのを思い出した。
最も確実で、まったく曖昧なのが…現実だな。