今日は、先日書いた横山大観の絵のハナシの・・・続きのような話。
最近はコンピュータアートが当たり前のようになってきてしまって、あまり見かけなくなったが、一時期"スーパーリアリズム"と呼ばれる画風が話題になった。
もう5年・・・、いや10年くらい昔のことになる。
"スーパーリアリズム"とは、つまり本物そっくりの絵。
もちろん、コンピュータではなく人間が直に描いた、いわば"トリックアート=だまし絵"のようなものだ。
例えば、窓の絵などは、そこにあたかも本物の窓があり、外が見えるような感じがする。
人物像であれば、それは絵ではなく、まったく写真に見える。
でも近づいて、よくよく見ると、やっぱり絵だ。
近づいて見てみると、ひょんなコトに気がついた。
輪郭線が、まるでないのだ。
だから近づいて見れば見るほど、ボケて見えて、何が描いてあるのかよくわからない。
しかし、離れてみると絵とは思えないリアリズム・・・なのだ。
近頃はもう見飽きてきた感のある3Dグラフィックスもリアルさには目を見張るものがあったが、やっぱり何かウソ臭い。
そう感じるのは、エッジが妙にシャープではっきり見えすぎているからかもしれない。
Photoshopを使う人なら、ご承知のことと思うが、アンチエイリアスという機能がある。
エッジの部分を少しボカして、まわりになじませ、より自然に見せる機能である。
現実の世界には、実は輪郭線など、そうは存在していない。
デッサンの勉強で描かされる球体や三角スイも、最初にシッカリと輪郭を描いてしまうと、ただの丸や三角にしか見えなくなってしまうものだ。
新しい日米防衛協力のための指針・・・、いわゆるガイドライン関連法案が論議を呼んでいるが、キッチリとした枠組みを作ろうとすればするほど、無理が出てくるのが現実社会。
もちろん、必要なことはちゃんとやらなければならないが・・・人間関係も同じだな。
本田宗一郎の父の教えを思い出す。